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今、注目の人材紹介会社

ベンチャーエントリー

私は、この業界で辻口社長のように、人材紹介と言う仕事の価値、あるべきサービス、また、何より社員を大切にする経営の重要性を語れる、そのような経営者は稀有な存在だと思っています。「経営者の私にとっては、社員がお客様なのです。」と言い切り、それを実践しながら順調に業容拡大されている姿は、私がイメージする理想的な経営者です。
辻口社長の含蓄あるお話をどこまで表現できたか自信がありませんが、是非ご一読ください。

インタビュー

写真:右・代表取締役社長 辻口 寛一 様 左・採用支援事業部長 稲垣 文隆 様

代表取締役社長  辻口 寛一 様
(写真右)
採用支援事業部長 稲垣 文隆 様
(写真左)

あっという間に数千社がひしめくようになった人材紹介の業界ですが、その中での御社の立ち位置をお教えください。
特に注力されていらっしゃる分野は? なぜその分野なのでしょうか?
また、競合として意識されていらっしゃる会社はありますか?今は無くとも今後出てきたらどのように対処されますか?

業界の中での立ち位置は、実は、全然考えていないのです。我々として信じる道を進んでいこうと常々思っていますので、あまり他の会社のことは気にしていないのです。
ただ、最近思っていることは、同じ人材業界とはいっても、派遣業は既に世の中にかなり認知されていますが、紹介業はまだ認知度が低いですね。是非、業界の一員として、世の中に良いインパクトを与えられるような存在になりたいと思っています。
ただ、そのインパクトというのは、単なる売上高ではなく、実際に提供できるサービスの価値の高さや深さだと思います。

最近は、多くの人材紹介会社が「うちは○○業界に強い」とか「○○の職種に特化」とか言っていますが、「○○に強い」という言葉を使い始めた人材紹介会社は、実は当社なのです。当社は、95年に「ベンチャー専門」と謳い始めました。
ここ数年は、企業様の対象を「新興市場の企業様」と書かせていただいておりましたが、「新興市場企業=ベンチャー」では無いため、「新興市場」という言葉を最近控えています。最近の新興市場には少し疑問を感じています。デイトレーダーや上場と同時に株を売却するなど、本来の「株主」とは違う意味の株主が多く、株主のあり方には疑問を感じますね。

私はベンチャーとは、「成長している中小企業」だと思っています。
また、「差別化」は目的ではなく、お客様に選んでいただくための手段です。
お客様に選んでいただくためには、どうすればよいか?それは、転職希望者の方に安心してご紹介できる企業をそろえることです。
現在、弊社では、大手コンサルティング会社や、銀行、証券会社、ベンチャーキャピタル、監査法人などと提携し、企業の紹介を受けています。我々の眼を通してだけでなく、それらの大手企業がお付き合いをされている不安感の無い企業をそろえることによって、転職希望の方々から当社を相談先として選んでいただく、そんな体制作りを進めています。
「お客様はベンチャー企業、提携先は大手企業」です。

これまでの話でもおわかりのとおり、私は当社と似たような会社が出てきたからといってその会社を敵視しようなんて思いません。喧嘩してもいいことなんて全くありません。それよりも仲良くして、当社との違いを見つけ、当社の長所をもっと伸ばせば良いのです。現在、ベンチャー企業に対して組織的にサービスを提供しているのは、ベンチャーエントリーのみです。

現在、御社の中での重要課題は何ですか? また、その課題にどのように取り組まれていらっしゃいますか?

今、当社はとてもいい状態なのです。あまり普通の会社に在りがちな課題って無いですね。社長業って、会社の成長の先回りをしてタイムリーに手を打っていくことなのです。先回りをして、これから発生しそうな課題に対して予見、対処していくということでしょうか。それに、現在の当社のような成長企業は、現場のマネジメントに 大変負荷がかかりますよね。

そのため、当社では今、組織横断的な仕組みをつくろうとしています。例えば、「社員教育」や「リスクマネジメント」、「マッチング効率の向上」などの委員会をつくって、マネジメントの負荷を減らし、社員みんなが考えていくようにしたいのです。それによって、社員も、自分たちが会社をつくっているという気持ちにもなれるのではないでしょうか。営業成績が良いと早くマネージャーに抜擢する会社がありますよね。でも、それでは、その人の提案力が育たないと思うのです。

もっとじっくりとプレイヤーとして提案力をつけた上でマネージャーになるほうが個々人の提案力も伸びますし、結果として会社としての実力も伸びると思うのです。まあそんな風に課題になりそうなことに先回りして対処しています。

そのような中で、御社のサービスのこだわりは何でしょうか?
また、今後、御社として果たしたい役割、御社にしかできない事はどんなことでしょうか? 辻口社長の将来目標やこだわり(理想でも結構です)をお伺いしたいです。

こだわりたいのは、「提供する人の顔が見えるサービス」を提供することです。
少し話は飛びますが、20世紀は科学技術の時代でした。しかし、技術の進歩により、豊かにはなったけれども幸せになったとは言い切れないのではないでしょうか。

21世紀は、「考え方」を大事にする時代だと思っています。
例えば、「現状に満足する」と「現状に感謝する」、この二つの意味は大きく違いますよね。現状に感謝はしなければいけないけれども、現状に満足はしてはいけないのです。こういうひとつの考え方の違いだけでも人生大きくかわります。当社は「転職」「採用」という、人と企業の大きな意思決定に立ち会う仕事をしているわけですから、「情報の提供」だけでなくそうした「考え方」をうまくお客様に伝えられないかなと考えています。

最近ある雑誌に「経営者として社員に危機感の共有を促すことが重要」と書かれてありました。私は全く違うと思っています。毎日、危機感で眉間にしわを寄せて仕事をすることが楽しいですか? 幸せですか? そんな会社で働きたいですか?

夢や前向きなことは社員と共有すべきですが、危機感を共有しても社員は幸せにはなれません。もちろん必要な情報を共有することは重要ですが、危機感は共有すべきではありません。危機感は、私のような経営者が黙って持っていれば良いことです。社員には危機感など持たせずに前を向いて頑張ってもらいたいと思っているからです。

こんなふうに「考え方」の違いによって、人や会社は大きく左右されます。
転職のご相談に来られた方にも「そんな考え方が大事ですよね」と伝えていきたい、そして、「人の顔が見えるサービスを提供していきたい」と思っています。

昨年の夏、辻口社長にお会いした時は、「1年に百数十社しか新興市場に上場する会社はない。無限に市場があるわけではない。いたずらに規模の拡大を追及するのではなく、 一定の適正規模20〜30人をキープしたい。」とおっしゃっていましたね。しかし、現在は数多くの中途採用をされていますし、来年の4月には新卒一期生も7名入社する予定ですね。そして、3年後には売上10億円の大台に乗せるというご計画ですね。
昨年から、辻口社長のお考えに大きな変化があったのでしょうか?

今後は、コンサルタントも増員し、本社も移転・増床予定ですが、無理な拡大や社員を ないがしろにするようなことは絶対にいたしません。最近は知名度もアップしましたし、お蔭様で求人開拓にはあまり困らなくなってきました。3年後10億円のイメージですが、これは、計画というよりは、このままやっていけばそのくらいになるのではないかなと 無理なくイメージしている数字です。

コンサルタント増員に伴い、今後、当社でも他社の模倣ではなく独自の工夫を凝らした 分業システムを取り入れ、仕事の品質をキープしながら業容拡大にチャレンジします。
一般的に、「人材紹介×分業=機械的=仕事が面白くない」というイメージがありますが、私はこのイメージをガラッと変えたいのです。「人材紹介×分業=業務が深堀りできておもしろい」という新しい仕組みづくりをしたいのです。
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