「妻の言葉で吹っ切れました！」

以前、複数社に内定され

最後に

「Ｘ社様とＹ社様のどちらにしようか？」

と悩まれていた

バリバリの人材紹介コンサルタントＡさんがいらっしゃいました。

大まかな表現で申し訳ございませんが

Ｘ社様は、豊富な人材データベースを保有しており

Ａさんほどの実力者であれば

「簡単に業績を上げられる会社」　＝　「稼ぎやすい会社」　です。

それに対してＹ社様は

貧困とは言わないまでも

Ｘ社様と比較すると

明らかに人材データベースが薄い会社です。

「業績を上げるのが難しい会社」　＝　「簡単には稼げない会社」　です。

企業規模もＸ社様の方が大きく知名度も高いのです。

従って、普通の人なら

１０人中９人は

楽して稼げるＸ社様を選ばれるでしょう。

しかし

只者ではないＡさんは

ここで立ち止まって考えました。

私：「Ａさん、今回の転職の目的は何でしたかね？」

Ａさん：「将来、エグゼクティブ層の人材紹介で独立できる実力を身に着けたいんです！」

私：「そうでしたよね。そんな実力を身に着けるためにはどうすればいいですかね？」

Ａさん：「厳しい環境に身を置いて　『素手で稼げるコンサルタント』　にならないといけません」

私：「その観点から考えますと、Ｘ社様とＹ社様、どちらがＡさんの志向に合ってますかね？」

Ａさん：「それは、Ｙ社様だと思います」

私：「しかし、Ｘ社様も社風が良く働きやすい会社ですから簡単には決められませんよね？

　　ご家庭の事情もありますし、奥様ともじっくり相談してみてください」

Ａさん：「ありがとうございます。

　　　　最後は、妻も私の意思を尊重してくれると思いますが

　　　　週末、ちゃんと相談して返事をさせていただきます」

私：「はい。私も奥様のご理解とご協力が不可欠だと思いますので

　　是非、ご相談していただいた上で決めてください」

このような会話をさせていただき

私は、Ａさんと奥様との相談結果をお待ちしました。

「奥様としては、家計やお子様の事を考えると、稼ぎやすいＸ社様を選んでほしいだろうな？」

と考えておりましたが

奥様のご意見は想像を超えるものでした。

Ａさん：「武谷さん、妻とも相談して結論が出ましたので、ご報告します！」

私：「はい、どうなりましたか？」

Ａさん：「Ｙ社様に決めました！」

私：「おー、ぶれませんでしたね。本当にいいんですか？」

Ａさん：「はい、自分でもＹ社様だと決めていましたが

　　　　妻に相談したら

　　　　『貴方は、いつまでグダグダ悩んでいるの？　良いと思う会社にスパッと決めなさい！』

　　　　と言われ、一瞬で終わりました」

私：「おー、凄い奥様ですね！　さすがＡさんの奥様ですね」

Ａさん：「はい、私も妻の一言で吹っ切れました！」

私：「ところで、奥様は人材紹介コンサルタントの仕事にご関心はないでしょうか？

　　大変適性が高いと思うのですが（笑）」

Ａさん：「えー！　しかし、妻には妻の仕事がありますから（笑）」

というような展開になりまして

Ａさんは

「簡単には稼げないＹ社様」　

を選ばれました。

あえて茨の道を選ばれたＡさんだからこそ

真のトップコンサルタントになる日も近いと考えております。

それにしても

腹が座った立派な奥様ですね。

「どろをかぶらずに

ほんものの

仕事はできぬ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。