「短所より長所。上から面接は辞退しよう」

知人からご紹介いただいた

優秀な人材紹介コンサルタントAさんのお話です。

とても真面目でストレートな方です。

私は大変好感を持ちました。

ただ

真面目でストレートな方だけに

少し不器用な雰囲気に不安を感じて

模擬面接をさせていただきました。

一通りやってみましたが

特に変な回答はなく

極めて好印象でした。

必ずどこかに内定すると思いましたし

実際、第一希望の人材紹介会社に内定され

ご入社されました。

しかし

中には意地悪な会社もありますね。

意地悪な面接をする会社もあるので

あえて模擬面接をやったのです。

何が意地悪かと言うと

誰もが抱えている　「短所」　の部分に

焦点を当てて

質問してくるのです。

面接官：「Ａさんの長所と短所は何ですか？」

Ａさん：「長所は真面目でストレートな所です」

面接官：「その根拠は？」

Ａさん：「周囲の親しい人に言われます。人を裏切らない。筋を通す。だから信用できると」

面接官：「では短所は？」

Ａさん：「はい。少し頑固なところですかね？」

面接官：「もっと具体的に説明してください」

Ａさん：「良くも悪くも、自分が正しいと思った事をまげない所があるかもしれません」

面接官：「それは柔軟性がないという事ですね？」

Ａさん：「はい。少しそのような所は自覚しておりますので

　　　　最近は、あまり頑固にならないように、気をつけています」

面接官：「過去、転職した時も、その頑固さが原因になったことはありませんか？」

Ａさん：「はい。確かに全くないとは言えません・・・」

面接官：「Aさん、うちはスタートアップで、スピードの速い会社ですよ。

　　　　当然ながら意思決定も速い。しかし、全ての意思決定が正しいとは限りません。

　　　　でも、間違っていたら、すぐに修正すればいいと考えています。

　　　　その結果、朝令暮改も日常茶飯事ですよ。

　　　　そんなカルチャーの当社で、Aさんのような頑固な人がやっていけますか？」

Ａさん：「自分の短所は十分わかってますので、柔軟性を持って仕事に取り組みます！」

面接官：「Aさん、そんな事を言う人は、だいたい１年以内に辞めています」

Ａさん：「いや、私の経歴をご覧いただければおわかりになると思いますが

　　　　短期間での退職は無く、どの会社でも最低３年以上勤務しております！」

面接官：「そうですか。わかりました。

　　　　面接結果は、武谷さんに伝えますので、今日はお引き取りいただいて結構です。

　　　　お疲れ様でした」

このようなパターンにはまるのが怖いので

模擬面接をしたんです。

意地悪な面接官でしょう？

真面目な人が

ある程度頑固なのは仕方ないですよね。

人間は、長所の裏返しが短所なんだから。

それなのに

短所ばかりに焦点を当てる面接は

個人的にはいかがなものかと思います。

この数年後

この面接官の方自身が

ご自分の転職の件で

ご相談にお越しになりました。

私からは

「貴方の長所と短所は？」　

という質問をさせていただき

ご自分の短所よりも

長所に目を向けるように申し上げて

長所を全部書き出していただき

共有させていただきました。

面接官：「武谷さん、これまでの私は面接官として失格でした。

　　　　自分が仕事で失敗したくなかっただけです。

　　　　今後は、自分と他人の長所に目を向けてポジティブに働きます！」

そして、その後

面接官だった方は

第一志望だった人材紹介会社に内定され

人材紹介コンサルタントとして

ご入社後もご活躍されています。

「ひとの世の幸不幸は

人と人とが

逢うことからはじまる　

よき出逢いを」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。