「マネージャーになると損?」
数多くの人材紹介会社から
ご依頼いただく求人要件として
「アグレッシブで且つバランスが取れた人材を紹介して欲しい」
という注文があります。
もっともな注文ではあります。
「積極性と協調性を兼ね備えた人材が欲しい」
と思うのは、どちらの企業でも当然だと思います。
実際、多くの企業では
バランスの良い人材が引っ張っています。
若い時には
人材紹介コンサルタントとして高業績を上げ
その後マネージャーになり
メンバーを育成しながら
組織を牽引しているケースが多いですよね。
しかし、このように
「プレイヤー適性が高い」 且つ 「マネージャー適性が高い」 = 「採用すべき人材」
というように狭く絞り過ぎると
組織成長の可能性が限定されてしまいます。
なぜならば
・全社員をマネージャーにはできない。
・全社員がマネージャーにはなれない。
・全社員がマネージャーになりたいわけではない。
・スーパープレイヤーだが、マネージャー適性は乏しい。
というように
様々なタイプの社員がいますし
それぞれの強みを活かすのが
マネジメントの妙味ですよね。
また、マネージャー適性がありそうな社員の中でも色々なタイプがいます。
リーダーや課長クラスまでは楽しくできても
部長以上の上級管理職になると楽しくなくなり
モチベーションが下がる人もいます。
その結果、自分の限界を感じて
マネージャー適性が無いと判断する人もいます。
私自身
「大きな組織のマネージャー適性は無い」
そのように自覚している人間の一人です。
プレイングマネージャーにしろ
マネジメント専任の管理職にしろ
多くの若い方々は
「一度はマネジメントを経験してみたい」
と思われている人が多いと感じています。
その上で実際にマネージャーになってみると
「大変だけど、おもしろい」
と言う人もいれば
「面倒くさい。やっぱり、プレイヤーの方がおもしろい」
と言って、プレイヤーに戻る人もいます。
このように、色々な人がいる方が
健全だと思うんです。
逆に、全員がマネージャー志向で
「マネージャーになれないなら会社を辞める」
というような画一的な集団では困るでしょう。
むしろ
「メンバー育成は嫌いじゃないので協力するけれど、マネージャーには固執せず
自分が好きな人材紹介コンサルタントの仕事を極めたい」
という方々がマジョリティーである方が
健全な組織かもしれません。
船頭ばかりが多い組織より
漕ぎ手が多い組織の方が
生産性が高いですよね。
全員が大統領や総理大臣
という国はあり得ません(笑)。
プレイヤーであってこそ
大変な強みを発揮する人材は多いですし
そのような方々が気持ちよく
長く働ける会社というものが
今、求められていると感じています。
上に立って旗を振る人も大切。
それを現場で支える人も大切。
マネージャーとプレイヤーとは
とかく対立構図になりやすいですが
個々人の特性や志向を見極めて
そこをうまく治めるのが
経営者の役割だと思います。
「自分が自分にならないで
だれが自分になる」 みつを
合掌。