「職歴より人生観を聞こう」
人材紹介コンサルタント経験者の場合は
当然ながら
これまでの実績に着目されて
採用されるわけですね。
・毎年の売上はいくらですか?
・その業績は社内で何人中何番ですか?
・平均成約単価はいくらですか?
・クライアント企業は、どのように開拓しましたか?
・キャンディデートは、どのように探しましたか?
・今までのお客様を持って来れますか?
などなど、比較的デジタルと申しますか
実利的な質問をすれば
そのコンサルタントの実力は
概ね推し量る事ができます。
その上で、ケミストリーが合いそうであれば
業績上位のコンサルタントは比較的容易に転職できます。
結果として、雇用条件の改善も可能です。
従って
経験者(実績・スキル)採用は簡単なのですが
未経験者を採用するとなりますと
一気に難しくなります。
人材紹介コンサルタントをやった事がない人を
「この人はできるか? できないか?」
という判断をしないといけないからです。
そんな未経験者のポテンシャル(潜在能力)を推し量って
採用するか? 採用しないか?
を決めないといけません。
それでは具体的に
どのようにして
ポテンシャル(潜在能力)を推し量るのでしょうか?
実際の選考では
・履歴書や職務経歴書などの応募書類
・面接
・適性テスト
などで、細かくチェックするわけですが
当然、一番重点を置かれるのは 「面接」 です。
従って
どのような内容の 「面接」 をすれば良いのか?
この点が大きな分かれ目になります。
結論から申し上げますと
「応募者の人生を聞く面接をしてください」
という事です。
具体的には
幼少期からどのような環境で育ち
どんな出来事に遭遇して
どのような判断・決断をして
決めた事をどこまでやり抜いたか?
やり抜く事ができず挫折したか?
どんな結果を出して
それが良い結果であっても
悪い結果であっても
そこから何を学んで
学んだ事をどのように活かして
今の自分があるのか?
そして、今後の人生をどのように生きたいのか?
そういう人生ストーリーを聞かないと
どんな人材なのか判断できません。
25年も30年も生きていれば
誰でもその人なりのストーリーがあります。
そのストーリーの上に立って
今、面接している人が目の前に座っています。
25歳なり、30歳なりの人格があります。
その人格を知るには
これまでの人生を聞くしかありません。
幼少期からの人生を聞かないで
わずかここ数年の職歴ばかりに焦点を当て
「再現性がある」 とか
「再現性が無い」 とか言っても
それは、人生の内のわずかな部分でしかありません。
25歳であれば
社会に出て環境が激変した3年間をどのように過ごしたか?
これは大きなウエイトを占めると思います。
しかし、その前の22年間の中に
直近3年間を左右した背景があるのです。
だから、その22年間を聞かないで判断できますか?
という話です。
「とりあえず、数年間でも働いてくれればいいんだよ」
というドライな会社であれば別ですが
「できれば、長期間働いていただき
ご本人も会社としても、入社して良かった・採用して良かった
と互いに思えるようにしたい」
という会社であれば
必ず人生ストーリーを聞き
その人の背景を理解した上で
「採用する・しない」 の判断をするはずです。
また、面接で人生ストーリーを聞かれた上で
採用され入社する方は
「私の事を深く理解していただいた上で採用してくれた」
という感覚を持つかもしれません。
もちろん
「そこまで聞かれたくない!」
というような
差別的で尊厳を傷つけられるような質問には
答える必要はありません。
ただ、本当に応募者の人格を重視している会社の面接官は
気遣いや人間性豊かなので
相手を傷つけるような質問はしないものです。
従って
未経験者採用の場合は
入社後の馴染みやすさや
早期戦力化と定着にもつながりますので
面接においては
人生のストーリーを聞き
人格を重視して採用する
という姿勢が大切だと考えます。
「それではどのように、人生ストーリーを気持ちよく語っていただけるか」
という事が
面接官の腕の見せ所です。
「そのときの出逢いが
人生を根底から
変えることがある
よき出逢いを」 みつを
合掌。