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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「最先端:両面と分業の良い所取り」

「最先端:両面と分業の良い所取り」

人材紹介コンサルタントの

仕事の役割分担としては

皆さんご存じのように

両面制(一気通貫制)と

分業制とがあります。

分業制は

リクルートエージェントやパーソルキャリアのような

主に大手人材紹介会社が採用している役割分担です。

分業制のメリットを一言で申し上げますと

「マッチング機会の最大化」 です。

・求人開拓と登録者対応とを分業化し

RA(法人対応)とCA(個人対応)とが各々の仕事に集中する事によって

多くの求人と登録者に対応する事ができる。

⇒ その結果 「多求人数×多人数」 のマッチングを可能にし、決定人数を最大化できる事です。

・更に、一人のキャンディデートを専任のCAが担当する事によって

「キャンディデート・オリエンテッド」=「キャンディデート・ファースト」 と言った

キャンディデートの意向を重視するサービスを提供しやすくなる事です。

一方、両面コンサルタント制のメリットを一言で申し上げますと

「マッチング精度の高度化」 です。

・人材紹介コンサルタントがクライアントとキャンディデートとの

双方を直接担当する事によって

両顧客の情報を正確に伝える事ができて

精度の高いマッチングが可能になります。

⇒ 両面コンサルタント制は欧米スタイルで、この業界ではスタンダードなカタチ(形態)です。

 
成功報酬を払ってくれるクライアント(求人企業)の意向を重視し

  
キャンディデートを探して口説くという

「クライアント・オリエンテッド」=「クライアント・ファースト」 と言った

クライアントの意向を重視するサービスを提供します。

  
分業制はRAとCAとの役割分担が明確ですので

概ねリクルートエージェントやパーソルキャリアと

同じような役割分担の会社が多いと思います。

一方、両面コンサルタント制の場合は、会社によってやり方が結構違います。

元々のスタンダードなカタチ(形態)は

JACや外資系エージェントのようなクライアントオーナーシップ制で

1社のクライアントを一人のコンサルタントが担当する。

キャンディデートは会社の共有財産として

各コンサルタントがフリーアクセスできるカタチ(形態)です。

この場合、キャンディデートが入社する

クライアント企業を担当するコンサルタントに

100%売上がカウントされる

ルールにしている会社が多いです。

しかし最近の日本では

上記とは逆の視点で

キャンディデートオーナーシップ制を採用している

両面コンサルタント制の人材紹介会社も増えています。

要するに

部分的に分業制の仕組みを取り入れている事になります。

いかにも、日本的な 「良い所取り」 の工夫と言えるかもしれません。

人材コンサルタントは

クライアントとキャンディデートとの

双方を担当するケースもあれば

どちらか一方だけを担当するケースもあります。

このような場合

他の人材コンサンタルトとの

コラボレーションで成約したケースは

クライアント担当とキャンディデート担当とで

売上を折半(シェア)するカウント方式が主流です。

従って、コンサンタルト同士が

気持ちよく協力しやすいルールになっています。

その結果

「紹介漏れが少なくなる」 「機会損失を無くす」 という

分業制のメリットも享受しているのです。

また、外資系人材紹介会社では

同じ両面コンサルタント制でも

業界別ではなく

職種別担当制を採用している企業が多いです。

職種別担当制の場合

クライアント1社に対して

複数の人材コンサルタント(ヘッドハンター)が担当する事になります。

例えば

セースル&マーケティング求人担当、バックオフィス求人担当、エンジニア求人担当

というように、1社を複数の人材紹介コンサルタントが担当します。

一見混乱しそうな印象も受けるのですが

担当コンサルタントが特定職種のスペシャリストである点が最大のメリットです。

「その職種の求人であれば、私に任せてください」

という具合に

求人に適合する人材を探しやすいというメリットがあるのです。

このように両面コンサルタント制と言っても

人材紹介会社によって役割分担が異なります。

また、両面コンサルタント制の場合

時々問題となるのが

「社内競合問題をどのように調整するのか?」

という事です。

特に、クライアントオーナーシップ制で

クライアント担当に売上が100%カウントされる場合に

一番起こりやすい問題です。

この社内競合があまりに露骨で

社内の雰囲気が良くないという理由から

転職を考える人材紹介コンサルタントも時々いらっしゃいます。

同じ会社のコンサルタント同士がキャンディデートを獲り合い

駆け引きをしたり

情報を隠ぺいするケースもあると聞きます。

誰しも自分のクライアントに紹介したい

という思いは同じですからね。

個人商店になりがちな

両面コンサルタント制だからこそ

いかに顧客満足を第一に考え

共に働くコンサルタントを尊重し

自分だけではなく

会社全体で良いサービスを提供する気持ちを持てるか?

この点は、両面コンサルタント制の人材紹介会社にとって

大変重要な課題です。

そのためには

人事制度やインセンティブの仕組みを十分考える事は当然ながら

健全な社風を創造する経営ポリシーと努力が必要です。

もちろん、社内で切磋琢磨して

お互い刺激し合い

強く成長する事も必要です。

大切なのはそのバランスと

根幹の部分で

個人主義に偏りすぎず

仕事ができるかどうかだと思います。

私は

営業やマーケティングなど

社外に向けた戦略以上に

「社内のマネジメントに悩む人材紹介会社が圧倒的に多い」

という厳然たる事実を見てきました。

お客様第一なのは当然ですが

まずは、自社の人材紹介コンサルタントが

気持ちよく働ける組織風土づくりが

成功のカギだと考えています。

「うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
うばい合えば憎しみ
わけ合えば安らぎ」                                        みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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