「競業避止契約書は無視しよう」
一昨年、転職されて
今は新天地の人材紹介会社で大活躍され
年収も2倍以上になった
人材紹介コンサルタントAさんのケースです。
Aさんの転職理由は大きく二つでした。
1 前職は365日・24時間、土日も夜も無いハードワークで完全な労基法違反。
2 そんなハードワークなのに、年収が低すぎて、家庭生活を維持できない。
という酷い話です。
更に問題は
「退職交渉」 でした。
Aさんは
プレイングマネージャーという立場でもあったので
前職の社長や上司から
強い引き留めがありました。
その引き留めによって
転職先企業への入社日も
大幅に遅れる事になりました。
そして、Aさんが
「やっと退職できる」 と思った最終出社日に
突然、上司から
「競業避止契約書にサインしろ!」
と言われて戸惑ってしまいました。
そこで戸惑ったAさんから
ご相談いただきました。
Aさん:「最後に、誓約書にサインしろと言われたんですが、どうしたらいいですか?」
私:「そんなしょーもない誓約書は何の効力もないので無視してください。」
Aさん:「無視しても大丈夫ですか?」
私:「Aさんの転職によって、現職企業の経営に決定的なダメージや不利益を与えますか?」
Aさん:「いいえ、そんな大きな影響はありません。もっと影響力が大きな社員が大勢辞めています。」
私:「そうですよね。単なる脅しです。出る所に出たら負けません。また、訴訟は会社の恥です。」
Aさん:「そー言われるとそうですね。訴訟になったという話は聞きません。」
私:「人の転職でもうけている人材紹介会社が、自社の社員の転職を妨害するなんてバカな話です。」
Aさん:「その通りですね。いきなり誓約書にサインしろと言われ、戸惑って済みませんでした。」
私:「いいえ、大丈夫です。何なら私と一緒に、労基署に相談に行きましょう。」
折角、これまで貢献されたAさんを
気持ちよく円満退職させてあげたらいいのに
酷い話ですね。
「競業避止義務」 に関して
下記、わかりやすい解説を
引用させていただきます。
※Googleで「競業避止義務」と検索すると、下記のような解説が出て来ます。
・「競業避止義務は無効ですか?」
裁判所で無効と判断される理由は、
「退職者の職業選択や営業の自由に対する制限が大きすぎる」という点にあります。
そのため、競業避止義務条項を作る際は、退職者の転職や独立を制限する範囲を、
自社の利益を守るために必要な最小限の範囲にとどめておくことが最も重要です。
・「競合避止義務は憲法違反ですか?」
退職後の競業避止義務は、職業選択の自由に違反する。
憲法22条1項は、職業選択の自由を保障します。
つまり、どこの会社に雇われ、どんな仕事をするかは、個人の自由に委ねられます。
雇われる場合だけでなく、独立起業するのも自由です。
人の転職をビジネスにしている人材紹介会社が
自社の社員の転職に制限をかけるとは
大変恥ずかしく
情けない話です。
むしろ
「なぜ、社員が辞めてしまうのか?」
という理由や原因を反省材料にして
経営やマネジメントの改善に努める方が生産的であり
社員の定着率と
会社の業績向上にもつながります。
目を覚ましてください。
「いいことは
おかげさま
わるいことは
身から出たさび」 みつを
合掌。