「退職者が多い優良企業とは?」
4月は新人がたくさん入社したでしょう。
その中には、新卒もいるでしょうし
キャリア採用された人もいるでしょう。
キャリア採用された人の中には
人材紹介コンサルタント経験者もいるかもしれませんが
コンサンタルト争奪戦の現状では
未経験の人の方が多いでしょう。
新卒、中途未経験者、中途経験者
それぞれで教育の仕方も少し異なるかもしれませんが
全員に共通して教えなければいけない事が
幾つかあります。
1 経営目的、経営理念、経営ビジョン、経営目標
2 社員の行動指針、コンプライアンス、就業規則、人事制度
3 職務の役割分担、責任と権限、業務フロー、社内システムなど
これらの事は全員に何度も教えて
それに対して質問や疑問がある新入社員がいたら
腹落ちするまで理解してもらいましょう。
ここは実際に仕事をやりながら
何度も話し合って
頭と実体験で理解してもらうしかない部分もあります。
さて、基本中の基本は何とか教えたとしても
「社員がどんどん辞める会社」 と
「社員が定着して成長する会社」 とに
分かれてしまうという現実があります。
この人材紹介業界でも同様で
企業の人材採用をお手伝いしている会社なのに
「社員がどんどん辞める会社」
の典型ような企業があるのです。
ただ、入社前から、お互いに合意の上であれば良いと思います。
会社:「長く働いてくれとは言わないよ。
数年でも、それなりに貢献してくれて、ビジネススキルを積んだら
転職でも独立でもしたらいい。
悔いのないよう、生きたいように生きろ。」
新人:「ありがとうございます。
私も入社するからには、必ず貢献します。
ただ、ダラダラ長居するつもりはありません。
自信がついたら、自分でビジネスを立ち上げます。」
とかですね。
昔のインテリジェンスみたいな会社かもしれません。
昔のリクルート、今のリクルートもそうかもしれませんが。
このような会社は
ちっともブラック企業だとは思いませんし
退職した人もそのようには思っていないでしょうし
「良い会社だったな」 と感謝している人も多いでしょう。
むしろ、社会に人材を輩出している企業かもしれません。
しかし、ただただ毎年多くの社員を採用し
大した教育もせず酷使するために
大量に辞めていく社員がいるが
辞めた社員にビジネススキルが
あまり身に着いていない会社もあります。
・素直だけど、あまり考えない人材、だましやすい人材を採用する。
・根拠のない壮大な経営目標を掲げるが、実態は自転車操業である。
・入社後は細かな 「KPI」 を押し付けるなど、マイクロマネジメントを徹底して行う。
・「成果を上げる社員こそが正義」 「成果を上げられない社員はバカ」 というような
短絡的な価値観を植え付け、組織全体を 「思考停止状態」 にする。
・「思考停止状態」 にされたため、自分で物事を考える事が益々できなくなってしまい
転職できたとしても、次の会社で活躍する事が難しい。
こういう会社がホンモノの 「ブラック企業」 です。
そんな会社の経営者は
「これも経営手法の一つだよ。
だって、優秀じゃない人材の受け皿として雇用創出しているし
違法行為もあまりしていないし、それなりに社会に貢献しているじゃないか?
こんな会社も必要だからあるんだよ。」
と、おっしゃるでしょう。
ただ、一つだけ申し上げたいのは
「本当に社員の事を気にかけていましたか?
現場の管理職にも、そのような指導をしていましたか?
管理職の顔と名前すらも、忘れていませんか?」
という事です。
「社長自ら手取り足取り、一人ずつ指導してください」
などど言うつもりはないのです。
ある程度の規模になれば物理的に無理があります。
ただ少なくとも
「私は管理職の君たちの事を気にかけているぞ。
だから、君たちも自分の部下の事を、常に気にかけてあげてくれよな。」
と言って、実際にそのような経営をしてくれたら有り難いと思います。
しかし、現実はそうでないから
大量に採用しても、大量に辞めるわけですね。
折角、三歩進んでも
大量に犠牲者を出す事によって
悪い評判が蔓延して
四歩・五歩ぐらい下がってるわけです。
近道するつもりが
実際は遠回りどころか
経営破綻への道を歩んでいるかもしれません。
このように
社員を単なる道具として扱っている経営者を
「ごっこ経営者」
と呼んでいます。
私に批判する資格などありませんが
どうか社員を大切にしてあげてください。
「ひとの世の幸不幸は
人と人とが
逢うことから
はじまる
よき出逢いを」 みつを
合掌。