「挑戦せずに辞退するな」
先日
真面目に堅実に
業績を伸ばされている人材紹介会社の
社長と事業部長との
打合せをさせていただきました。
しかし、そろそろ打合せが始まろうとした矢先に
人材コンサンタルトAさんからの電話が!!
何やら悪い予感がしました。
Aさん:「明日の面接ですが、前日で申し訳ないのですが辞退しようかと思いまして・・・。」
私:「えー!! それはどういう事情でしょうか? 折角のチャンスなのに。
あんな優良企業の一次面接を通過して二次に進める人は珍しいので、もったいないですね。」
Aさん:「実は一次面接の時から、厳しい質問が多くて難しい会社だなと感じていたんです。」
私:「でも、その厳しい面接を見事クリアされたんですよ。自信を持ってください。」
Aさん:「ただ、自分にピッタリだと思う他社の面接が進んで、内定が出そうなんです。」
私:「自分にピッタリとは、今の自分の実力に合っているという事ですか?」
Aさん:「はい。そこなら無理せず即戦力として働けると思います。」
私:「じゃあ、今のAさん以上に成長しないでしょう。チャレンジポストじゃないですね。」
Aさん:「・・・はい。確かにそうかもしれません。」
私:「今回は向上心に火をつけて、ワンランク上の会社にチャレンジするはずでしたよね。
経営学の本まで読んで勉強したじゃないですか?」
Aさん:「はい。しかし、先方が求めていらっしゃるものは相当高い所にありそうなので
果たして自分がお役に立てるかどうか心配です。」
私:「Aさんが正直に話していただいているのはわかります。ありがとうございます。
ただ、チャレンジせずに転職活動を終わらせて、今と同じレベルの会社に横滑りするのは
もったいないですね。
結果はどうあれ、折角勉強もしたんですからチャレンジしませんか?
それで駄目なら仕方ないし、どうしても自信がないなら、内定しそうな会社に
行けばいいじゃないですか?
少なくとも二次面接キャンセルは、あまりにもったいないですよ。」
Aさん:「うーん、確かにそうですね。やっぱり、明日は二次面接に行きます。」
私:「そうですね。開き直って本音で何でも質問してみてください。」
Aさん:「お忙しいところ、弱気な電話で済みませんでした。明日は二次面接に行きます!!」
折角、優良難関企業の一次面接をクリアしたのに
チャレンジをあきらめて
二次面接に行かないのはもったいないです。
Aさんは
その日のために事前学習もしていたのですから。
「ところで今は何時だ?」
となりまして時計を見ました。
そして、何とか20分遅れで
新規クライアントとの打合せに入りました。
私:「遅れまして、大変申し訳ございません。」
社長:「いやいや、気にされないでください。この仕事には多くのアクシデントがあります。」
と、寛大にご対応いただきました。
そして翌日
二次面接を終えたAさんから
明るい声でお電話をいただきました。
Aさん:「武谷さん、今日は面接に行って良かったです!!
昨日はちょっと弱気になっていて、つまらない電話をしてしまい本当に済みませんでした。
今日の面接に行かず、安易に内定した会社に決めてしまっていたら後悔したと思います。
今日は自分なりに話したい事は話せました。
ありがとうございました。」
私:「いや、こちらこそ、ありがとうございます。
お忙しい中、長時間の面接やテスト、大変お疲れ様でした。
悔いが残らない転職活動ができて良かったですね。」
Aさんは、安易に妥協せず
難関企業にチャレンジしたプロセス
全力を出したプロセスに
満足されたようでした。
結果はどうであれ
悔いを残さない転職活動の大切さを
再認識させられた出来事でした。
その後、Aさんは難関企業から
見事に内定を獲得し入社され
現在はリーダーとしてご活躍中です。
「生きているうち
はたらけるうち
日のくれぬうち」 みつを
合掌。