「50社紹介すれば、どこかに決まるだろう?」
先日
ご相談いただいた人材コンサンタルトAさんは
「50社紹介すれば、どこかに決まりますよね?」
と、おっしゃいました。
同じ人材紹介会社と言っても
色々な流派がありますね。
私は昔から
お一人に対して
あまりに数多くの企業をご紹介するのは
好きではありませんでした。
基本的に
その方のご経歴や志向を尊重し
企業の経営者や社風を調べて
多くても5社程度に絞って
ご紹介していました。
Aさん:「武谷さんは、なぜ、その会社を私に紹介するのですか?」
私:「●●●の理由で、この会社をAさんにご紹介しました。」
というように
ご紹介する理由を言えないと
応募する方の納得感を醸成できませんし
モチベーションも上がりませんので
結果として
内定率も低くなってしまいますよね。
そんな私と、Aさんとの会話です。
Aさん:「50社紹介すれば、どこかに決まりますよね?」
私:「確かに、50社も紹介すれば、どこかに決まるでしょうね。」
Aさん:「だから私は、できるだけ数多くの会社をご紹介しています。」
私:「それも一つのやり方かもしれませんね。私の方針は違いますが。」
Aさん:「それが聞きたかったんです。武谷さんが、社数を絞って紹介する理由はなんですか?」
私:「その会社をご紹介する理由を、ちゃんと伝えたいからです。」
Aさん:「紹介する理由って必要ですか? 内定した会社の中で、本人が選べばいいじゃない?」
私:「そんなの人材紹介業と言えますかね?」
Aさん:「えー!! どうしてですか?」
私:「50社紹介して、内定した企業の中から転職先を選ぶなんて、直接応募と何が違います?」
Aさん:「面接設定とか連絡業務は私がやってますよ。その連絡業務が大変ですよ。」
私:「連絡業務だけであれば、企業と応募者が直接やれば済みますよね?」
Aさん:「でも、自分で1社1社応募するよりも、まとめて50社応募する方が効率的じゃないですか?」
私:「そんな事はネット上でも簡単にできます。Aさんの介在価値はなんですか?」
Aさん:「数多くの会社に、数多くの人材を紹介する事です。」
私:「企業と人材に、できるだけ多くの機会を提供する事ですね?」
Aさん:「その通りです。」
私:「Aさん、昔はそんな仕事でも何とかなりましたが、今後、Aさんの仕事は無くなりますよ。」
Aさん:「なぜですか?」
私:「誰でもできる仕事ですし、人が介在する必要がないからです。システム対応可能ですよね。」
Aさん:「はい、うちの会社はシステムを駆使しています。システムに大きな投資しています。」
Aさんの仕事は
若年層のITエンジニアに特化した人材紹介という事なので
「数多くの企業」×「数多く人材」
という現実も理解できます。
しかし
「50社応募しても入社する企業は1社」
「50人面接しても採用する人材は1人」
「50分の一」 ですね。
私たち転職エージェントとしては
お客様の労力を軽減する事はもちろん
「何らかの気づきをご提案できる」
そんな仕事をしたいなー
と感じました。
「いまから
ここから」 みつを
合掌。