「JACの差別化戦略と実行力」
「差別化」 とは
ハーバード大学教授で経営学者の
マイケル・ポーターが提唱した
「競争優位戦略」 ですね。
概略、下記三つの競争戦略があります。
1 コストリーダーシップ戦略
⇒ 価格競争に勝って収益を確保すべく、より低コストで商品を生産する。
2 差別化戦略
⇒ 自社商品の独自性を多くの顧客に知らせて優位性を高め、高い価格でも買ってもらうにする。
3 集中戦略
⇒ ターゲットを絞る、特定商品に経営資源を集中する事で、低コストや差別化を図り優位性を高める。
人材紹介会社としても
採用市場・転職市場における
競争が激しくなりました。
競争相手は
同業の人材紹介会社だけではなく
ダイレクトリクルーティングや転職サイトなど様々ですね。
そこで 「差別化」 という戦略が
大きなテーマになっています。
この 「差別化」 に成功した具体例として
JAC(ジェイエイシーリクルートメント)様に注目して
取り上げたいと思います。
(JACの成功要因)
1 若年層市場を捨て、ハイクラス層に特化して、リクルート様やパーソルキャリア様と差別化。
2 ハイクラス層で実績を上げるノウハウ・スキル共有と、現場における具体策の徹底した実践。
3 大胆な実力・実績主義で、社員に還元する人事給与制度。
要するに
マーケティング理論上での 「差別化」 は
上記1の 「ハイクラス層特化」 という集中戦略だけです。
それよりも
JACの成功要因は
上記2・3の
「現場での実践力」 と 「人事給与制度」 にあります。
戦略的に理論が正しくても
営業現場での実行が伴わなければ
何も業績向上につながりません。
加えて
会社や上司に指導された通りに実行して
高い業績を上げても
給料が上がらなければ
現場の人材コンサルタントの
モチベーションが上がりません。
どんなに頑張っても
相変らずリクルートエージェントの社員より給料が安い
という事では
モチベーションもプライドも上がらないでしょう。
従って
「的確な戦略」
「強い現場マネジメント」
「モチベーション向上策」
という、三つの要素が一緒に機能してこそ
成功につながるというサンプルです。
色々な人材紹介会社を見ていると
「戦略は立派だけど現場のマネジメントが力不足」
という事例が多い気がします。
何だかんだ言っても最後は
営業現場での各論に強い実践的なエージェントが
生き残るような気がします。
昔、JAC社長時代に
田崎忠良最高顧問から
「経営は実行」 という書籍を手渡された事を
思い出しました。
「ともかく具体的に
動いてみるんだね
具体的に動けば
具体的な答が出るから」 みつを
合掌。