「人材紹介しかできないポンコツになるな」
私が人材紹介業に飛び込んだ時は
まだまだ黎明期で
人材紹介業を知っている人も
ほとんどいませんでした。
国内の市場規模としても100億円程度で
最大手のリクルートの売上が30億円とか
そんな時代でした。
事業所数も全国に200~300か所とか
その程度でした。
その時代は
ソニー、富士フイルムなど一部のメーカーや
大手SI企業などが
エンジニア採用のために人材紹介会社を使っていました。
それから40年近い時が流れて
市場規模も5700億円超と大きくなって
事業所数は2万5千か所とか
TVCMまでやっている会社も数多く
人材紹介業の存在が社会的に知られるようになりました。
また、多くの人材紹介会社が
人材コンサルタントを積極採用しています。
中途採用はもちろん
新卒も大量採用している会社があります。
その結果
人材コンサルタント人口が飛躍的に増加しています。
一体、何万人いるのでしょうか?
大手人材紹介会社であれば
1社で数千人いますし
人材コンサルタントの人数は
10万人に近づいているかもしれません。
非常にざっくりした試算で恐縮ですが
1997年と現在との比較で考えます。
・市場規模:450億円
・事業所数:300事業所
これを基に試算すると
・市場規模:5700÷450=12.7倍
・事業所数:25000÷300=83.3倍
となります。
従って
市場規模は大きく拡大しましたが
それよりも人材紹介会社同士の競争の方が何倍も厳しくなった、という事ですね。
この競争の厳しさは
人材コンサルタントの皆さんであれば
日々実感されているでしょう。
そして、これからは
この競争がもっと厳しくなります。
そうなると、人材紹介業界では
生き残れない会社や
生き残れない人材コンサンタルトが出てくるでしょう。
厳しい競争の中で生き残るためには
独自の強みを磨いたり
他社よりも付加価値の高いサービスを提供したり
そういうものが必要とされます。
そして 「高付加価値サービス」 というものを
わかりやすく分解してみますと
下記の二つをあげる事になるでしょう。
1 企業に対する経営コンサルティングサービス(そのインプリとしての人材紹介)
2 人材に対するキャリアコンサルティングサービス(そのインプリとしての求人紹介)
という事です。
要するに、今後は
「経験や勘に頼るサービス」 とか 「顕在的ニーズのマッチング」 ではなく
「体系的なトレーニングや知識」 や 「洗練されたメソッド」 に基づいて
潜在課題を発掘し解決策を提案するような
コンサルティングサービスを提供する必要があります。
そうなると
私のように経験や勘に頼り
普通の 「人材紹介しかできないポンコツ」 は
退場させられるだろうと想像しております。
私が引退するまでのあと数年は
何とかぎりぎり生き残れるかもしれませんが
近い将来、お払い箱になるという事です。
なので、まだ若い皆さんには
今の内に大いに勉強していただき
「経営コンサルティングサービス」 や
「キャリアコンサルティングサービス」 を提供できる
ホンモノのコンサンタルトになっていただきたいと願います。
そして
人材紹介業界のステージを
今よりも一段も二段も上げていただき
不勉強な素人では簡単に参入できないような
格調の高い産業に発展させてください。
誇り高い仕事をして
充実した人生を送ってください。
そう言いながら
まだまだ私もガツガツ仕事をします。
体年齢38歳、簡単には負けません。
「生きているうち
はたらけるうち
日のくれぬうち」 みつを
合掌。