「大手商社から人材コンサンタルトに」
今日は、3年前にもご相談いただいたAさんの件です。
Aさんは英語堪能な好青年で
有名な専門商社に在籍されていました。
私:「なぜ、人材紹介会社への転職を考えているんですか?」
Aさん:「人材紹介会社には、学生時代からずっと興味を持っていたんです。」
私:「それなのに商社を選んだ理由は何でしょうか?」
Aさん:「商社にも強い関心がありまして、新卒の時はそちらを選びました。」
私:「確かに、有名商社に入るのであれば、新卒の方が有利かもしれませんね。」
Aさん:「はい。若い内に経験してみたかったんです。」
私:「実際、経験してみてのご感想はいかがですか?」
Aさん:「仕事の手触り感が無いんです。末端のお客様の声が聞こえません。」
私:「なるほど。だから、リアルにお客様と接する人材コンサンタルト志望ですか?」
Aさん:「まさに、その通りです!!」
というような流れで
私はAさんに3社の優良な人材紹介会社をご紹介しました。
そして、好青年のAさんは2社から内定を獲得されました。
私は 「当然、Aさんはどちらかを選ぶだろう」 と考えていました。
ところが、ところが
この仕事はホントに油断大敵ですね。
Aさん:「武谷さん、大変申し訳ないのですが、今回は2社とも辞退させてください。」
私:「えー!! どうしたんですか?」
Aさん:「周囲の人とも相談したのですが、現職のスキルを活かせる会社を選べと・・・。」
私:「現職のスキルを活かせる会社とは?」
Aさん:「大手総合商社から内定をいただき、そこに転職しようと思います。」
私:「そうですか。仕事の手触り感は大丈夫ですか?」
Aさん:「済みません。一度は総合商社を経験したかったので。」
私:「わかりました。人材紹介会社に転職するには強い覚悟が必要なので仕方ないですね。」
Aさん:「大変お世話になったのに、本当に申し訳ございません。」
こんな 「どんでん返し」 があって
Aさんは内定辞退という結果となりました。
ありがちな心変わりなので
こんなケースを引きずってはいけません。
とにかく、内定を出していただいた2社に
丁重にお詫びのご報告をしました。
私も気持ちを切り替えて
Aさんの事はスッカリ忘れていました。
そうして、あっという間に3年経過したのですが
再度、Aさんからご連絡をいただきました。
Aさん:「勝手な話ですが、もう一度ご相談させてください。」
私:「えー、また人材紹介会社志望ですか?」
Aさん:「はい、どうしても気になりまして。」
私:「折角、あこがれの会社に転職できたのに?」
Aさん:「はい、今の会社は本当に良い人ばかりで居心地がいいです。」
私:「それなのに転職したいんですか?」
Aさん:「はい、ホントに良い人ばかりなのですが、窓際族的な人も多くて・・・。」
私:「Aさんは窓際族になりたくないと?」
Aさん:「はい、多分この環境に長くいると、自分もそうなるだろうと。」
私:「Aさん、もう一度釘を刺しておきますが、人材紹介の仕事も甘くないですよ。」
Aさん:「はい、それは覚悟の上で、勝手ながら再度ご相談しました。」
このような理由で、仕切り直しです。
ただ 「仕切り直し」 と言っても
Aさんにフィットしそうな人材紹介会社は
前回の時に紹介してしまっています。
従って
Aさんが前回、内定辞退された2社にお願いして
再応募していただくしかありませんでした。
その結果、Aさんは
2社の面接に再度進まれて
1社から内定をいただきました。
私:「Aさん、内定、おめでとうございます!!」
Aさん:「ありがとうございます。何度も面談していただき、ありがとうございました。」
私:「面接官の部長さんとご縁がありましたね。この仕事は人と人とのご縁ですよ。」
Aさん:「はい、本当にご縁を感じております。」
私:「今回は意志は固いですか?」
Aさん:「はい、ご縁を大切に精一杯頑張ります!!」
Aさんも3年の間に転職をして
別の会社の長所も課題も体感されました。
その経験が
今回の意思決定に大きく作用したと思います。
少し回り道をしたかもしれませんが
「人生に無駄はない」
という事でしょう。
新天地でのAさんのご活躍を楽しみにしております。
「ひとの世の幸不幸は
人と人とが逢うことから
はじまる
よき出逢いを」 みつを
合掌。