「両面制でも分業制でもチームワークが大切」
人材コンサルタントの仕事のカタチ(形態)としては
皆さんご存じのように
両面制(一気通貫型)と分業制とがあります。
分業制は
主に大手人材紹介会社が採用しているカタチ(形態)ですね。
分業制のメリットを一言で申し上げますと
「マッチング機会の最大化」 です。
・求人対応と登録者対応とを分業化し
RA(法人担当)とCA(個人担当)とが各々の仕事に集中する事によって
多くの求人と登録者に対応する事ができる。
⇒ その結果 「多求人数×多人数」 のマッチングを可能にし
決定人数を最大化できる事が強みです。
・更に、一人のキャンディデートを専任のCAが担当する事によって
「キャンディデート・オリエンテッド」=「キャンディデート・ファースト」 と言った
キャンディデートの意向を重視するサービスを提供しやすくなる事です。
一方、両面制のメリットを一言で申し上げますと
「マッチング精度の高度化」 です。
・一人の人材コンサルタントがクライアントとキャンディデートとの
双方を直接担当する事によって
両顧客との距離が近くなり
精度の高いマッチングが可能になる事です。
⇒ 両面制は欧米スタイルで、人材紹介業界ではスタンダードなタカチ(形態)です。
成功報酬を払ってくれるクライアント(求人企業)の意向を重視し
キャンディデートを探して口説くという
「クライアント・オリエンテッド」=「クライアント・ファースト」 と言った
クライアントの意向を重視するサービスを提供します。
分業制はRAとCAとの役割分担が明確で
基本的にリクルートやパーソルキャリアと
同じようなカタチ(形態)の会社が多いと思います。
一方、両面制の場合は、会社によってルールが結構違います。
スタンダードなカタチ(形態)はクライアント本位制で
1社のクライアントを一人のコンサルタントが担当する。
キャンディデートは会社の共有財産として
各コンサルタントがフリーアクセスできるカタチ(形態)です。
この場合、キャンディデートが入社する
クライアントを担当しているコンサルタントに100%売上がカウントされる
ルールにしている会社が多いです。
これとは逆の視点で
求人が多く人材不足という近況もありますので
キャンディデート担当本位制を採用している両面制の紹介会社もあります。
要するに
部分的に分業制の仕組みを取り入れている事になります。
両面制であっても
人材コンサルタントはクライアントとキャンディデートとの
双方を担当して成約に至るケースもあれば
時には、他のコンサルタントとのコラボによって成約に至るケースもあります。
このようなコラボで成約した場合は
クライアント担当とキャンディデート担当とで
売上を折半(シェア)するカウント方式が主流です。
また、外資系人材紹介会社では
両面制ではありますが
業界別担当制ではなく
職種別担当制を採用しているエージェントが多いです。
職種別担当制の場合
1社のクライアントを
複数の人材コンサルタント(ヘッドハンター)が担当する事になります。
例えば
セースル&マーケティング求人担当、バックオフィス求人担当、エンジニア求人担当
というように、1社を複数の人材コンサルタントが担当します。
一見混乱しそうな印象も受けるのですが
担当コンサルタントが職種別のスペシャリストである点が最大のメリットです。
「その職種の求人であれば、私に任せてくれ」 という具合に
深い専門性や人的ネットワークを活用して
求人に適合する人材を探しやすいというメリットがあります。
このように両面コンサルタントと言っても
人材紹介会社によって様々なカタチ(形態)があります。
また、両面コンサルタントの場合
時々問題となるのが
「社内での競合問題をどのように調整するのか?」
という事です。
特に、クライアント本位でクライアント担当だけに
売上が100%カウントされるルールの場合に
一番起こりやすい問題です。
この社内競合があまりに露骨で社内の雰囲気が良くない
という理由から
転職を考える人材コンサルタントも時々いらっしゃいます。
同じ会社のコンサルタント同士がキャンディデートを獲り合い
駆け引きをしたり
情報を隠ぺいするケースもあると聞きます。
誰しも自分のクライアントに決めたい
という思いは同じですからね。
個人商店になりがちな両面制だからこそ
いかに顧客満足を第一に考え
チームワークを大切にして
自分だけではなく
会社として良いサービスを提供しようというマインドを持てるか?
この点は、両面制の人材紹介会社にとって
大変重要な課題ではないでしょうか?
そのためには評価やインセンティブの仕組みを十分考える事は当然ながら
健全な社風を創造する経営ポリシーと社員教育が必要です。
もちろん、社内で切磋琢磨して
お互い刺激し合い力強く成長する事も必要です。
大切なのはそのバランスと
根幹の部分で個人主義に偏りすぎない
仕事ができるかどうかだと思います。
私は
営業やマーケティングなど社外に向けた戦略以上に
「社内のマネジメントに悩む人材紹介会社が圧倒的に多い」
という厳然たる事実を見てきました。
お客様は当然大切ですが
人材コンサルタントが気持ちよく働ける組織づくりがKFSですね。
「うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
うばい合えば憎しみ
わけ合えば安らぎ」 みつを
合掌。