「企業と人材のDNAを探ろう」
特に最近
社長や事業部長など高い職位の求人が増えています。
経営やマネジメントで
困っている人材紹介会社が多いからです。
当り前ですが
特定の優秀な人材に内定が集中します。
逆に、内定を獲得できない方は
長期間に渡り転職活動が続くか
途中であきらめてしまいます。
「数合わせで採用する」
という企業はほとんどありません。
もし、そんな企業があるとすれば
逆に怪しいですから
気をつけましょう。
さて、社長や事業部長と言うと
格好いいですが
職位が高いほど責任が重く
入社しても短命で終わるケースが多いので
私も慎重になります。
事業部長のように職位が高い人は仕事上
株主やオーナー経営者との接点が増えます。
入社後半年ぐらいはお互い新鮮で仲良くやれても
1年、2年、3年と中長期に渡ると
意見や価値観の食い違いから溝ができて
衝突する事も少なくありません。
最後は
「もう顔も見たくない!!」
というような状況になって辞める人もいます。
大切なのは双方の価値観です。
価値観は幼い頃からの人間形成過程でつくられます。
人間の根底にある感性や判断軸です。
経営者とキャンディデートの
価値観の相性が良ければ長続きします。
わかりやすい例は
「とにかく貧乏で苦労した」 とか
「ひどくいじめられた」 とか
「いつも人の輪の中心にいた」 とか
「ずっとスポーツをやってきた」 とか
「海外生活が長かった」 とか
「大学に行けなかったが実力でのし上がった」 とか
「有名進学校から東大を卒業した」 とか
「親も親せきも公務員が多い」 とか
「実家が商売をやっている」 とかです。
上記のような「生い立ち」が人の価値観に大きな影響を与えます。
しかし、経営者と相性の良いDNAを持っている人材を探すのは
かなり難しいです。
経営者も
新たな幹部社員が入社して間もない頃は
お客さん扱いしてくれますが
半年・1年経過するとだんだん見方が厳しくなります。
我々多くの人がそうであるように
相手に新鮮味を感じなくなったり
長所より短所が目につくようになりがちです。
経営者によっては
「それなりの対価を払えばスペアは幾らでもいる」
と考えている人もいます。
そういう経営者の会社では
コロコロ幹部社員が入れ替わりますので
近づかないようにしています。
良好な関係を長続きさせるためには
経営者と相性の良いDNAを持っている人を探すしかありません。
タイプマッチングを超える 「DNAマッチング」 です。
「経営者が歩んできた人生」 と
「キャンディデートが歩んできた人生」 との
究極のマッチングです。
従って
双方の生い立ちを聞かせていただく事が重要です。
私がよくお客様を会食に誘うのは
この辺の話が聞きたいからでもあります。
DNAが全く同じ人はいませんし
必ずしもDNAのタイプが似ていなくてもいいと思います。
大切なのはプラスとマイナスのように
相互補完関係がつくれるか?
という事だと思います。
クライアントの経営者の中では
「面接では中学生までの生い立ちの話だけを聞く」
という方がいらっしゃいます。
実際、面接内容のほとんどが子供時代の話を聞かれています。
私:「なぜ、そんな面接をされていらっしゃるのですか?」
経営者:「人間は中学生ぐらいまでの期間で人格形成されますので
子供時代の話を聞いています。
その話を聞いた上で、うちの社風に合っていると思ったら
採用させていただきます。」
大変ユニークですが
本質的な面接だと思います。
実際、本当に子供時代の事しか質問されないので
面接に行ったキャンディデートの皆さんも驚きます。
「人生いろいろ 会社もいろいろ 面接もいろいろ」 ですね。
「そのときの出逢いが
人生を根底から
変えることがある
よき出逢いを」 みつを
合掌。