「稲刈りの手伝いで面接に行けません!!」
以前、人懐っこくて人間的な魅力があり
とてもおもしろいAさんと
ご相談させていただきました。
応募1社目の一次面接後は
Aさん:「『次回は他の社員にも会っていただきます』 と言われたので
一次面接は通過できたと思います。
とても志望度が高いので、何とか内定をGETしたいです。」
私:「そうですか。良かったですね。
あのマネージャーの方がOKであれば、多分内定されますよ。」
と、私も高をくくっていたのですが
応募企業からの連絡がありません。
2~3日様子を見て、面接官の方にお電話をしたら
面接官:「あー、とてもお人柄が良い方ですが
これから先は経験重視で採用するつもりですので
残念ながらお見送りです。」
私:「えー、Aさんは次回面接のお話が出たとおっしゃってますが?」
面接官:「あー、それは誤解ですね。済みません。
Aさんから 『今後の選考プロセスは?』 という質問があったので
それにお答えしただけです。」
このように、Aさんと面接官とのやり取りに誤解が生じてしまったようです。
Aさん:「私の早とちりでしたか? 済みませんでした。でも残念です。」
私:「いやいや、まだまだ志望度の高い会社の面接があるじゃないですか?
気分転換して頑張りましょうよ。」
Aさん:「そうですね。
2社目は万全の準備で臨みます!!」
私:「はい、次の会社の面接は1回で決まります。
すごい辣腕の部長さんがいらっしゃって
その部長さんの鶴の一声で内定します。
Aさんは、部長さんに好かれるタイプだと思いますから
いつも通りリラックスして臨んでください。」
Aさん:「鶴の一声で決まるとは、凄く力のある部長さんなんですね?」
私:「はい、凄い人です。
その部長さんにかかると、社長さんでも木っ端みじんです。」
この2社目の面接直後
Aさんから、とてもうろたえた声で電話がありました。
Aさん:「武谷さん、申し訳ございません。
部長さんの迫力と言うかオーラに飲まれて
大失敗してしまいました!!」
私:「えー!! どういう事ですか?」
Aさん:「とにかく緊張してしまい、全く何も考えられず
自分でも何を言っているのか全然わからない状況でした。
『1+1=100』 みたいな答をしてしまいました。」
私:「えー!! Aさんでも緊張するんですか?
いつもリラックスしてニコニコしているのに。」
Aさん:「いやー、今日は本当にどうしようもなかったです。
多分、先方様から武谷さんにクレームの連絡が入ると思います。
申し訳ございません。」
私:「いやー、私が部長さんの事を凄い人だと言いすぎましたね。
済みませんでした。」
Aさん:「いえ、私の力不足です。済みません。」
さて、次に3社目はどの会社をご紹介しようかと悩んでいましたら
Aさんが興味を持ちそうな急募案件が入ってきました。
そこで、すぐにAさんに求人情報をお送りしました。
私:「Aさん、この求人はいかがですか?
良さそうな会社でしょう?」
Aさん:「はい、とても興味があります。
応募したいです!!」
私:「そうですか。
それでは急募求人ですから、すぐにご紹介してもよろしいですか?」
Aさん:「申し訳ございません。
実は、今日から稲刈りの手伝いで実家に戻ります。
稲刈りだけは絶対にやらないといけませんので
応募は東京に戻ってからにさせてください。」
私:「えー!!
Aさん、稲刈りも大事でしょうが、転職も大事ですよね。
離職中だし、この求人は急募ですよ。」
Aさん:「申し訳ございません。
稲刈りだけはやらないと、親にしばかれますので
また東京に戻ったら、すぐにご連絡します。」
私:「わかりました。
稲刈り優先で頑張ってください!!
戻ってきたら、すぐに電話してくださいね。」
私も長く人材紹介コンサルタントをやってますが
稲刈りで転職活動を休止するというケースには初めて遭遇し
失礼ながら、一人で爆笑してしまいました。
その後、稲刈りを終えて東京に戻って来たAさんは
3社目の選考には間に合いませんでしたが
別の優良な人材紹介会社に内定・入社されて
ご活躍されています。
「ただいるだけで
あなたがそこに
ただいるだけで
その場の空気が
あかるくなる
あなたがそこに
ただいるだけで
みんなのこころが
やすらぐ
そんなあなたに
わたしもなりたい」 みつを
合掌。