ホーム > 社長ブログ > 「年収を下げずベンチャーに転職したい?」

社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「年収を下げずベンチャーに転職したい?」

「年収を下げずベンチャーに転職したい?」

失礼な言い方ですが

世の中の多くの人から見ると

「贅沢な希望」 を持ちながら悩んでいた

キャンディデートAさんがいらっしゃいました。

人材コンサルタントは未経験ですが

無形商材の新規法人開拓で

提案営業バリバリの優秀な営業マンです。

プレイングマネージャーとして部下数名の指導・育成もやっています。

有名大企業に勤務され

周囲は良い方々ばかりで人間関係も良好です。

土日は不定休という忙しさですが

今の仕事は大好きで

年収や福利厚生面も恵まれています。

こんな恵まれた人がなぜ転職したいのか?

不思議ですね。

転職理由は下記のようなものです。

1 今は良くも悪くも歴史のある会社なので、保守的な社風で変化が乏しい。

2 社員が新卒プロパーばかりでモノカルチャー。もっと多様な人がいる会社がいい。

大企業特有の旧き良き環境なのです。

ですから、最大の転職・志望理由を簡潔に言うと

「保守的モノカルチャー組織から革新的で多様性豊かなカルチャーの組織へ」

という事です。

問題は

「その希望がかなうなら、他の条件は妥協できるか?」

という事です。

皆さんも、このようなケースによく遭遇すると思います。

ところが、ご存知のように、そんな簡単にはいきません。

他にも付随する希望条件があります。

3 現在と同様、無形商材の提案営業で人の人生に影響を与えられる仕事をしたい。

4 長く働ける人事制度が整っていて

  年収(固定給)は最初は少し下がっても、すぐに元に戻る会社。

5 基本的に土日休める会社 *今が事実上不定休なので。

上記3は全く問題ないのですが、

上記4・5の希望条件を保証できる会社は

この人材紹介業界にはあまりないですよね?

しかし、上記4の「年収」は、本人のパフォーマンス次第で上がる可能性が高いです。

Aさんの能力を持って全力で取り組めば

近い将来、年収は上がるでしょう。

上記5の「土日休み」は、お客様次第でもあり、自分のやりくり次第でもあります。

結局、Aさんの本音の希望を整理すると

「雇用条件は大企業の良い部分を踏襲しつつ

カルチャーは革新的なベンチャー企業が良い」

という事になります。

今の世の中で

こんな希望が通る会社は珍しいと思います。

ですから失礼ながら

「贅沢な希望ですね」

と申し上げました。

「環境は変えたいけど雇用条件は変えたくない」

いつの間にか

Aさん自身が旧い大企業のカルチャーに染まっているのだなと感じました。

従って、明確に申し上げました。

「Aさんは転職しない方がいいです。

もし転職したら、すぐに今の会社が恋しくて仕方なくなりますよ。

覆水盆に返らず。冷静に考えてください。

Aさんは大企業向きの人です。

今は隣の芝生が青く見えているだけです。

雇用条件の部分で心底腹をくくれないかぎり

転職はしない方がいいです。」

その結果、真意をご理解いただいき、転職を断念されました。

大変ご丁寧なお礼のメールもいただきました。

やはり、とても素晴らしい方です。

大企業に10年以上いて

いきなりベンチャー企業に転職したら

ほとんどの人が長くても3年以内に辞めます。

組織風土や仕事の進め方、スピードが全く違うので

余程の雑草根性や柔軟性がないと続きません。

一人の転職を思いとどまらせる事も

人材紹介コンサルタント(キャリアコンサルタント)の仕事です。

無理に転職させて

そんな事でお金をもらっても

自分の仕事に誇りが持てません。

子供に胸を張って話せる仕事をしたいですね。

「しあわせはいつも

 自分のこころがきめる」                  みつを

合掌。

記事の一覧に戻る

コンサルタントによる転職相談
ご登録はこちら

プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

カテゴリー

アーカイブ

このページのトップへ