「コンサルタント価値観の大変化」
仕事に対する価値観というものは
育った家庭環境や親の職業や教育方針
年齢や経験(成功体験も失敗体験も)
元来その人が大切にしている事
職場環境や自分に影響を与えた人
経済環境などの時代背景など
様々なものから影響を受けて確立していくわけですね。
従って、大くくりでは幾つかの集合体にグルーピングできるでしょうが
細かく見ていくと百人百様、千差万別だと思います。
完全に同じDNAを持ち、同じ環境で育った人はいませんからね。
ですから、個々人によって違うのが普通であって
違うから悪いとか、同じだから良いとか
そのようなものではないと思います。
その人が大切にしている価値観を
人材紹介コンサルタントの仕事を通じて
実現させる事ができれば幸せですよね。
恥ずかしながら
私自身の話をさせていただくと
「昔と今とでは仕事に対する価値観が随分変わったな」
「仕事を通じて実現したい事が変わったな」
と隔世の感があります。
過去、その年齢の時に何に関心があり
何に取り組んだかを
以下に書きます。
・20代前半 ⇒ とにかくトップセールスになる事。
・20代後半 ⇒ 現場マネージャーとしてメンバーもマネージャーにする事。
・30代前半 ⇒ 顧客満足向上のためにサービス改革と組織改革を推進する事。
・30代後半 ⇒ 大組織のマネジメントを行い、会社を飛躍させる事。
・40代前半 ⇒ 雇われ社長として、業績と組織を猛スピードで大きくする事。
・40代後半以後 ⇒ プレイヤーに戻り、子供に胸を張って語れる仕事をする事。
年齢や立場の変化と共に
「立場が変われば、立つ場が変わる。
立つ場が変われば、見える景色も変わる。」
という事ですかね。
特に、リクルートエージェントで働いていた時は
「人材の適材適所を媒介し世の中を変えたい」
というような事を真剣に考えていたわけです。
端的に言うと
「何かものすごく大きな事をしないと、世の中は変えられない」
と思っていたんです。
しかし、その後、JACリクルートメントに転職してみたら
「世の中を変えよう」
などと考えて働いている人材コンサルタントはいませんでした。
2000年当時のJACは
当時のリクルートエージェントの十分の一のサイズでした。
・リクルートエイブリック:売上80億円 従業員450名
・JACジャパン:売上7.6億円 従業員40名
これだけサイズに差があれば
「世の中を変えよう」
などと考えながら働いている人が
JACには居なくて当然だったと思います。
「数で勝負のリクルートより
精度の高いマッチングを行い良い仕事をして
クライアントやキャンディデートに 『プロだね』 と言われたい」
と、考えている社員がほとんどでした。
しかし、私は
そんな社員の気持ちに配慮せず
「決定人数が一番の会社が一番社会貢献度の高い会社だ。
君たちは所詮自己満足で仕事をしている。
『仕事の質で勝つ』 なんて言うのは
所詮、負け犬の遠吠えだ!!」
と言っていたんです。
その後、規模拡大のために
無理やり分業制にする事になりました。
当然ながら、社員からは
「そんなやり方では、私たちがやりたいプロの仕事はできない!!」
と大反発が起こり
多くの有能なマネージャーやコンサルタントが退職しました。
社長就任1年目は
90人採用したら90人辞めました。
今思いますと
「決定人数が一番の会社が一番社会貢献度の高い会社だ。
君たちは所詮自己満足で仕事をしている。
『仕事の質で勝つ』 なんて言うのは
所詮、負け犬の遠吠えだ!!」
こんな事を言った自分の傲慢さを恥じます。
当時は、何もわかってなかったと思うのです。
わかりやすく申し上げますと
「世の中を変えるのは、規模やマーケットシェアではない。
わずか1社に一人の人をご紹介するだけでも
世の中を変える事に一役買っているのだ。」
という真実に30年もかかって
ようやくたどり着いたという事です。
むしろ、学生時代は
「手間暇かけて良い仕事をしたい」 と思っていたので
当時は無名だった人材紹介会社に就職したわけです。
「1周して自分なりの答に到達するのに30年」
人生って、そんなものなんじゃないかと感じます。
一人の人材が会社を変えるかもしれない。
一人の転職が、ご本人とご家族の人生に大きな影響を及ぼす。
1件1件の採用・転職の意味を考えながら、コツコツと仕事をする。
確かに、大手人材紹介会社には、大手なりの使命があります。
同様に、小さなエージェントにも、それなりの使命があります。
師匠の栢野(かやの)さんが、よく使われる言葉です。
「人は誰でも天から一通の手紙を受け取っている。
そこには天職、使命が書いてある。」
個々人の職業人生とは
「自分の使命を探す旅」
のようなものではないかと考えています。
私は、その使命に気づく事ができて幸運でした。
これまで影響を与えていただいた
全ての人と出来事に感謝致します。
誠にありがとうございます。
「おかげさん」 みつを
合掌。