「なぜ、職人になりたいの?」
数か月前
とても歯切れが良くて好感が持てる
人材紹介コンサルタントのAさんと
ご相談させていただきました。
そんなAさんですから
面接での評価も極めて高く
優良企業の内定を複数GETされました。
ただ、Aさんには
譲れないご希望条件がありました。
それは
「マネジメントには関わらず
ずっと最前線のコンサルタントでいたい」
という事です。
私:「へー、今の私であれば
Aさんのお気持ちはわかります。
プレイヤーもマネジメントも経験させていただいたので
自分にはマネジメント適性がない事がよくわかりました。
だから、独立起業してプレイヤーをやっているんです。
Aさんは、お若いのに
マネジメントを敬遠される理由は
どういう事でしょうか?」
Aさん:「実は、父親が職人なんです。
55歳まで大企業で働いていたのですが
退職後、独立起業してから
とても元気になって活躍しています。
その姿を見て
私はオヤジよりも若い年齢から
職人人生を歩みたいと思ったんです。」
私:「なるほど、そうなんですね。
やっとわかりました。」
Aさん:「私も武谷さんに聞きたかったんですが
なぜ、独立して今でもプレイヤーをやっているんですか?」
私:「えー、これしかできないからです。」
Aさん:「そんな事はないでしょう?
サラリーマンとしても出世しましたよね。」
私:「いやいや、結局、無理していたんだと思います。
一人になると、本当に気楽ですから。
最初に入社した会社が
リクルートと言う素晴らしい会社でしたから
自分勝手な私でも
本当に温かく伸び伸びさせてもらいました。
素晴らしい上司、素晴らしい同僚、素晴らしい後輩に
恵まれて、とても幸運でした。
あんな会社は、めったにありません。」
Aさん:「それなのに、辞めたんですね。」
私:「それは、私に管理職適性が無かったからです。
私が会社や周囲の人に
迷惑をかけてしまったからです。
具体的には、昔のブログをお読みいただければわかります。」
Aさん:「それは読みました。(笑)
事情はわかっています。
でも、辞める時点では
独立企業は考えていなかったんですよね?」
私:「その通りです。
全く考えていませんでした。
ただ、リクルートで16年も働くと
他の会社が息苦しくて我慢できませんでした。」
Aさん:「そして、独立起業してからは、どうですか?」
私:「社内の事など全く考える必要が無くて
純粋に人材コンサルタントの仕事に集中できて
やっとライフワークになりました。
心の底から幸せです。
何とか自分の居場所が見つかりました。」
Aさん:「めちゃくちゃ共感します。
私も、武谷さんのようになりたいです。」
私:「Aさん、ありがとうございます。
ただ、たまたま私が幸運なだけですし
人それぞれの強み・弱み・事情がありますから
まだまだお若いのに、一本線で考えないでください。
Aさんには、自分で気づいていない
様々な可能性があると思います。」
私より20歳以上お若いAさんの人生に
一生寄り添う事はできませんし
私の考えを押し付ける事はできません。
従って
「本当にそのキャリア選択でいいんですか?
後悔しないように、じっくり考えてくださいね。」
と、申し上げるのが
私の一つの役割かなと
考えております。
「一番わかっているようで
一番わからぬ
この自分」 みつを
合掌。