「父が倒産。自分は大手に?職人に?」
過去、私がお会いしたお二人の話です。
その一人のAさんは
大手商社のエリート管理職です。
当時、子会社の社長として出向されていたので
一時的に私の上司でありましたし
感じの良い紳士でした。
そのAさんに食事に連れて行っていただきました。
Aさん:「武谷さん、どうして独立なんかするんですか?
一緒に会社を盛り上げましょうよ。」
私:「いやー、自由になりたいんです。」
Aさん:「安定より自由が大切なんですか?」
私:「はー、今はそういう気分です。」
Aさん:「武谷さん、私のオヤジは自営業だったのですが
資金繰りで大変苦労していました。
あれを見て、私は絶対に大企業に入社して
安定した人生を送ろうと考えて
この会社に就職したんですよ。
武谷さん、自営業は大変ですよ。」
私:「そうだったんですね。
それぞれの生い立ちや経験がありますよね。
ただ、私は失敗するかもしれませんが
今は自由になる事を優先したいだけです。
申し訳ございません。」
Aさん:「そうですか。残念だな。」
一方、先日お会いしたBさんは
Aさんとは真逆の人です。
私:「Bさんは、なぜ、1社目の会社を選んだんですか?」
Bさん:「私は職人になりたいと思っていたんです。
そこで、学生時代
その職人の世界を学べるお店でバイトしました。
そこで、職人不足で大変なお店の様子を見て
職人に特化した人材紹介会社に就職したんです。」
私:「なるほど、そうだったんですね。
ところで、なぜ、職人になりたかったんですか?」
Bさん:「オヤジが勤めていた会社が倒産したんです。
それで、経済的に厳しくなって
一時は大学進学もあきらめて
会社に依存しない職人になろうと考えたんです。」
私:「なるほど。
お父様の事があって
職人志向になったんですね。」
Bさん:「はい。
組織に頼らず
自分の腕で稼げる職人になろうと思いました。」
Aさんは、お父様が自営業でご苦労されていたので
超大手企業に就職して
安定した人生を目指しました。
Bさんは、お父様がサラリーマンだったのに
勤務先の会社が倒産したので
自分は職人を目指しました。
やはり、家庭環境やご両親の影響は大きいですね。
それぞれの方々の
バックグラウンドに関しては
大変興味深いですし
そういう背景を理解した上で
より良いご縁をつなぐ事が
人材コンサルタントにとって大切だと感じます。
「アナタの主人公は
アナタなんだよなあ」 みつを
合掌。