「毎月100面談を10年。もう限界。」
私は30年前
月50~60人の方々と
わずか1年ご相談させていただいただけで
頭がおかしくなりそうでした。
それもそのはずで
当時は事前予約制度も無く
何日の何時に
どんな人がお越しになるかもわからない。(笑)
年齢、性別、国籍、職種、役職、年収バラバラの
全領域の皆様に
一人で対応しなければならなかったからです。
まるで、ハローワークの民間ヴァージョンでした。
以前も書きましたが
私が土曜日当番の日に
1日で新規ご登録の25名様と
面談させていただいた事もありました。
同時に8名様がお越しになり
対応が滅茶苦茶になりました。
当時は
何と非効率で
専門性も深まらない
アホなやり方をしていたんだろうと
思い出すと笑ってしまいます。
と同時に
ご相談にお越しになった皆様に
低レベルのサービスしか提供できず
大変申し訳なかったと思います。
ただ最近
「毎月100面談を10年続けています。
もう限界です。
私はこのままで良いのでしょうか?」
という悩みを抱えられた
30代後半の人材コンサルタントの
Aさんとお会いしました。
私:「え!!
毎月100面談ですか?
大丈夫ですか?
その後の進捗管理も含めて
誰が誰だったかも
わからなくなるでしょう?」
Aさん:「はい。
私は全然覚えていないのに
転職先が決まった方からは
大変感謝していただき
戸惑う事も多々あります。」
私:「え!!
転職された人の事も忘れているんですか?」
Aさん:「はい。
次から次に新たな面談が組まれて
毎月10名様の内定を目標にしていますから
覚えたくても忘れてしまいます。
忘れた人から
『大変お世話になり、ありがとうございました。
私の友人をご紹介しますので
宜しくお願い致します。』
と、ご紹介いただく事もあります。」
私:「へー、Aさん、よく10年も続けて来ましたね。
御社の社員の定着率はいかがですか?」
Aさん:「だいたい30歳で事実上の定年を迎えて
転職する人がほとんどです。」
私:「Aさん、会社というものは
自社の社員を扱うようにお客様を扱う、
と言います。
その観点からも御社は
若い社員の労働力に頼り過ぎて
結果として、顧客満足を後回しにしていると感じます。」
Aさん:「はい、社員同士の仲は良く
悪い会社ではないのですが
色々な意味で無理をして
成長してきたと思います。
その結果、30代後半にしては
スキル不足だと思っている私は
他の人材紹介会社に転職できるのでしょうか?」
私:「Aさんであれば、転職できます。
今日の面談で
Aさんのコミュニケーション能力と
ストレス耐性の高さがわかりました。
書類選考は100%通過させて
必ず面接まで持って行きますので
その面接で、Aさんのコミュニケーション能力を発揮すれば
良い転職先が見つかると思います。」
Aさん:「本当ですか?
面接率100%?」
私:「そうでなければ、私の存在価値がありません。
転職先の会社では
毎月100面談もしなくてもいいですよ。
20~30面談でも十分だと思います。」
Aさん:「ありがとうございます。
これからは、量だけではなく
質にこだわった仕事をしたいと思います。」
私:「はい。
ただ、若い時に大量に仕事されたご経験は貴重なものです。
それは、Aさんが誇れる財産です。
そしてこれからは、量と質とのバランスを取って
心身ともに健康的で
良いサービスを提供できるように
頑張りましょう!!」
「いまから
ここから」 みつを
合掌。