「そのエージェントだけは応募したくない」
半年前、ご相談にお越しになったAさんは
大変誠実で真面目なコンサルタントです。
そんなAさんに
数社の優良エージェントをご紹介しました。
私:「Aさん、かなり厳選してご紹介したつもりですが
いかがでしょうか?」
Aさん:「ありがとうございます。
ただ、X社とY社に関しては興味がありますが
Z社だけはちょっと・・・・・。」
私:「Aさん、Z社に対して
何か嫌な思い出でもあるんでしょうか?」
Aさん:「折角お薦めいただきながら
大変申し上げにくいのですが
以前、登録した時の体験から
Z社だけはお断りしたいと考えております。」
私:「そうなんですか!!
一体何があったんでしょうか?」
Aさん:「端的に申し上げますと
二人のコンサルタントの内の一人から
ご自分が担当されている企業を
ゴリ押しされました。」
私:「今時、そんなコンサルタントがいるんですね?」
Aさん:「もう一人のコンサルタントは良い方でした。
私は、その方が担当されている企業が第一志望でした。
それにも関わらず、
別のコンサルタントが何度も横やりを入れてきました。
『そんな会社より自分が担当している会社を優先しろ』 とか
『そんな会社に転職したらキャリアダウンになりますよ』 とか
ちょっとひどかったです。
その結果、最後は険悪な関係になって
私もドン引きしてしまいました。」
私:「それはひどい話ですね。
私からも、Aさんを特定できる情報はふせて
そのエージェントの社長に忠告します。」
Aさん:「いやいや、武谷さん、それはやめてください。
あくまで個人的で過去の話ですから。
ただ、Z社だけは応募する気持ちになれません。
済みません。」
私:「いいえ、こちらこそ、
何も知らずにZ社をご紹介してしまい
大変申し訳ございません。」
本来は優良なはずの人材紹介会社ですが
99%の人材コンサルタントが誠実でも
1%のコンサルタントが不誠実だと
大変厳しい評価を受けてしまいますね。
そのコンサルタントも
目標達成するために必死だったのでしょうし
心身ともに追い込まれていたのかもしれませんが
そんな目先の事情で
人の人生に過剰介入するような事は避けなければなりません。
人材コンサルタント失格です。
こんな残念な話を
聞く事が無くなるように
皆さん、精進しましょう。
会社と自分
そして業界の評判を落としてしまうのは
大変もったいないです。
結果としては
自分自身を貶める行為になってしまいます。
「うばい合えば足らぬ
わけ合えばあまる
うばい合えば憎しみ
わけ合えば安らぎ」 みつを
合掌。