「合うものは合う。合わないものは合わない。」

いつも明るくエネルギッシュなAさんは

とても自由闊達な人です。

いつ話しても明るく楽しそうで

転職活動をされているにもかかわらず

全く悲壮感を感じません。

「転職活動」　と言うよりも

「悪気なく様々な企業の人と会っている」

という感じです。

「絶対、内定を勝ち取ろう！！」　とは

全く考えていません。

自分が応募先の企業に合わせようとは

全く考えていません。

むしろ

「応募先の企業が自分に合っているか」

を、面接で感覚的に判断するという感じです。

従って、面接対策は全くの無駄です。（笑）

私のアドバイスなど意味がありません。

面接の場では、完全にマイペースで応答されます。

面接官：「当社への応募動機は何ですか？」

Aさん：「成長企業を応援するという意味では接点がありますね。」

面接官：「Aさんは、将来どうなりたいのですか？」

Aさん：「自分がどうなりたいかとか考えていません。

　　　　 それよりも、目の前のお客様に対して

　　　　 自分が何ができるのかを考えて

　　　　 仕事をしています。」

面接官：「それであれば、当社でなくても

　　　　　　今の会社でもできる事ではないでしょうか？」

Aさん：「それはそうですね。」（笑）

ご紹介先のクライアントには申し訳ありませんが

もう笑うしかありません。

Aさん：「武谷さん、本当に済みません。

　　　　 アドバイスしていただいたのに

　　　　 自分の感性で答えてしまいました。」

私：「いやいや、Aさんの意志が一番大事ですから

　　 気にしないでください。」

Aさん：「私は、相手が期待する答を話せないので

　　　　 面接に向いていない事がわかりました。」

私：「面接などしなくても

　　 Aさんに入社していただきたいというお客様が

　　 たくさんあるじゃないですか？

　　 お客様から評価されているAさんは立派です。」

Aさん：「そう言っていただけると

　　　　 気持ちが明るくなります。

　　　　 ありがとうございます。」

私：「いいえ、こちらこそ

　　 無理に面接に行っていただいたようで

　　 申し訳ございませんでした。

　　 転職される・されないはどうでもいいので

　　 今後とも宜しくお願い致します。」

Aさん：「ありがとうございます。」

なんでしょうか？

既存の枠組みにはまらない人って

いらっしゃいます。

天才肌でしょうか。

昔の私であれば

「バカヤロー！！

どうして俺がアドバイスした通りに

面接を受けなかったんだ！！」

と、怒ったかもしれませんが

今では、そんな気持ちは無くなりました。

ねじ曲げて内定しても意味がないし

そんな事では、仮に入社されても

長続きしません。

それは、企業にとっても

人材にとっても

明らかにマイナスです。

従って

人材コンサルタントの介在価値の追求も大切ですが

「合うものは合う。合わないものは合わない。」

という、冷静な判断も必要です。

「無理やり紹介」

「無理やり内定」

「無理やり入社」

そういう事は一番避けなければいけませんね。

面接で　「お見送り」　になっても

「武谷さん、僕、面接が苦手で済みません。」　という

全く変わらないAさんの明るい声に

教えられます。（笑）

「にんげんだもの」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。