「誰でも紹介してはいけない?」
先日
転職のご相談をいただいた
人材コンサルタントのAさんですが
私が 「転職しない方がいいですよ」 と申し上げたら
驚かれていました。
20代後半で3社経験。
どの会社でも
「これを精一杯やりました」
というものがありません。
私:「今の会社では
人間関係などの悩みはありますか?」
Aさん:「それは全くありません。
むしろ、社長と一緒に仕事をさせてもらっていますし
他の社員も協力的で関係も良好です。」
私:「それは良い環境に恵まれていますね。
良い会社ですね。
そういう事が一番大事ですよ。
もっと頑張って
会社に貢献しないといけませんね。」
Aさん:「いやー、そうかもしれませんが
とにかく20代で独立したいんですよね。」
私:「独立してどうするんですか?
そもそも今の業績では独立できませんよ。」
Aさん:「売上3000万円ぐらいやれたら
独立できませんかね?」
私:「Aさん、社長や周囲の社員の方々に協力してもらって
やっと2000万円やっている人が
独立して3000万円やれますか?」
Aさん:「今の環境で3000万円できても
独立できませんかね?」
私:「今は、求人開拓は他の社員に依存していて
Aさんはスカウトメールに返信があった人と
面談をして紹介しているだけじゃないですか?
求人開拓は他人任せで
2000万円しかできていない。
それで独立なんて
人材紹介業をなめたらいけませんよ。」
Aさん:「やっぱり難しいですか?」
私:「今の会社で3000万円、4000万円、5000万円と
業績を伸ばす努力をして
実績を作る事が先です。
求人開拓も自分でやった方がいいです。
それから、もっとターゲット領域を絞って
専門性を高めて平均単価を上げるとか
頭を使って工夫しないといけませんね。」
Aさん:「そういう事もやってみようかと思っています。」
私:「ちゃんとやってみて
すぐに上手く行かなくても簡単にあきらめないで
次の手を打ってください。
そういう試行錯誤が大切です。
ところで、Aさんは、なぜ独立したいんですか?」
Aさん:「何か自由に働きたいんですよね。」
私:「Aさん、真の自由というものは
それだけの実績と努力を
積み重ねた人が
手に入れられるものですよ。」
Aさん:「やっぱり、難しいですか?」
私:「今、折角恵まれた環境で働かれているんですから
そこで最大限の努力と工夫をしてみてください。
それが一番大切です。
従って、今回はAさんに求人はご紹介しません。」
Aさん:「え!!
相談者に求人を紹介しないなんてあるんですか?」
私:「そんな事は日常茶飯事です。
三分の一ぐらいの方には
求人をご紹介せず
ご相談だけでお帰りいだだいています。
何でもかんでも
紹介するのが人材紹介業ではありません。
むしろ、きちんと的を絞って
ご紹介するのが人材紹介業です。」
Aさん:「へー、私は全ての人に
求人を紹介するものかと思っていました。」
私:「そんなものは人材紹介業ではありません。
そんな事をするのであれば
わざわざ我々人材コンサルタントが
介在する意味がないじゃないですか?」
Aさん:「へー、そうかもしれませんね。
じゃあ、今の会社でもう少し頑張ってみます。」
私:「はい、そうですね。
折角恵まれた環境にいらっしゃるので
粘り強くやってみてください。」
Aさんの考え方の軽さに驚きながら
それでも怒ってはいけないと冷静になり
70分以上話しました。
最後は、たくさん質問もいただきました。
Aさんにわかっていただきたい事を
申し上げたつもりです。
ただ、本当にご理解いただけたかどうかは???
誰にでも適当に求人を紹介してはいけません。
久しぶりに
めっちゃ肩が凝りました。(笑)
「なやみはつきないな
生きているんだもの」 みつを
合掌。