「人材紹介会社にオフィスは必要か?」
弊社オフィスの大家さんから
またしても、お手紙をいただきました。
内容を簡略に申し上げると
「緊急事態宣言は解除されましたが
引き続き賃貸料は下げさせていただきます。」
という、大変有難いお手紙でした。
弊社のような
零細企業でも
オフィス賃貸料というものは
バカにならない金額です。
そんな事情もあって
リーマンショック時は
非常に数多くの人材紹介会社が
コスト削減のために
オフィス移転したのです。
大手人材紹介会社は
お金持ちなので
東京駅周辺の
賃貸料が高い高層ビルに
オフィスを構えている会社が多いですね。
ところが
コロナが流行して
リモートワークになって
ほとんどの社員は出勤しないし
登録者面談も在宅での
オンラインになっています。
結果として
高いオフィス賃貸料が
負担になってしまっています。
1000人とか2000人の社員の執務室はもちろん
面談ルームだけでも
200、300室とかありますし
その他の応接室や会議室も含めると
莫大な賃貸料です。
登録者の個人情報保護はもちろん
集客力強化やサービス向上の観点から
少なくとも、コロナ前までは
賃貸料の高い面談ルームが
必要だったかもしれません。
ただ、現在の人材紹介会社は
ターニングポイントに差し掛かっています。
具体的には
私の場合、10年以上前から
オフィスで面談するよりも
自宅マンションのロビーで
面談する機会が多いです。
理由は
・自宅の方が駅に近い。
・自宅の方が広くて解放感がある。
・自宅のロビーも、めったに他人が使っていない。
・自宅のロビーにも、きれいなトイレがある。
・自宅の方が、私も近い。
・自宅の方が、総合的にお客様の安心感がある。
という合理的なものです。
従って
弊社オフィスは
下記、法令の順守のために
お借りしているわけです。
(有料職業紹介事業の許可要件)
人材紹介のオフィスの要件として、完全に区分けされた個室が必要となります。
個人情報が守られないオープンスペースは、面談スペースにはできません。
自宅を事務所とする場合は、
居住スペースと事務所スペースを完全に区別することなども求められます。
*ハードルの1つとなっていた「広さ20㎡以上」の縛りは、
2017年に法改正で撤廃されましたが、弊社オフィスは30㎡はあります。
更に、そもそも最近
JACリクルートメントや外資系ヘッドハンティング会社
そして、エグゼクティブサーチをやっている会社は
コンサルタントがキャンディデートの近くに出向いて
社外で面談する事を奨励して来ました。
キャンディデートが指定する
カフェやレストランに出向いて
そんなオープンスペースで
非常に数多くの面談をしています。
この時点で、そもそも
面談ルームの必要性が薄れていますね。
時代遅れの法律通りにやっていても
高付加価値を生み出せない現実があるのです。
さて、人材紹介会社以外でも
いち早くオフィス賃貸契約解約の動きが
すごい勢いで広がっています。
当然、テナント企業の不動産賃貸会社に対する
賃貸料金の値引き交渉は
厳しくなっているでしょう。
お互いに 「黒字か?赤字か?」 の
激しい交渉になっていると想像します。
ただ、単にオフィス賃貸料を引き下げて
「安いオフィスで仕事をしましょう」
という事を言いたいのではありません。
・何のためにオフィスが必要なのか?
・オフィスでやるべき仕事は何か?
・オフィス以外でやっても良い仕事は何か?
・その結果、オフィスの場所や面積やコストをどう考えるか?
という事です。
会社や社員のプライドのため?
会社の宣伝や登録者集客のため?
社員の採用力強化のため?
会社のステータスシンボルのため?
そんな都心の高層オフィス時代は
見直しの時期に近づいているかもしれません。
今回を機に
大幅に賃貸料が下がれば
また入居希望者が増えるかもしれませんが。(笑)
それよりも
オフィスでしかできない仕事は何か?
わざわざオフィスに出勤する意味は何か?
その本質を考えましょう。
「かねもできました
家もできました
時間のゆとりも
できました
さてこれからは
人間らしい生き方をと
自分自身を
ふりかえる頃は
たいてい墓場の中だ」 みつを
合掌。