「採用基準を上げる場合は競合他社を意識しよう?」
採用市場は
需要(求人)と供給(人材)との
バランスで成り立っています。
そして、そのバランスは
常に変化しています。
当り前ですが
景気が良くなれば
求人数が増えて
人材優位の売り手市場になります。
その逆に
景気が弱含みになると
求人数が減少し
企業優位の買い手市場に移行しますよね。
マクロ経済にも影響されますし
個別業界や個別企業の
ミクロ経済にも影響されます。
ただ、「万年人材不足」 という市場も存在します。
具体例としては、人材紹介業の
トップコンサルタントに関しては
「万年人材不足」 であり
「万年売り手市場」 です。
好不況に関わらず
高業績をキープできるトップコンサルタントは
いつでも、どこにでも転職できます。
最近、クライアントのA社様から言われました。
A社:「今年は採用基準を上げます。
従って、昨年並みの人材をご紹介いただいても
採用できない可能性があります。
その点に留意いただき
よりハイレベルなコンサルタントの
ご紹介をお待ちしております。」
私:「そうですか?
元々、厳選してご紹介しているつもりです。
実際、入社された大多数の方々は
ご活躍されていますよね。」
A社:「はい、それはそうなので感謝しています。
ただ、中には苦労されている人もいますので
今年は妥協せず
採用基準を昨年より上げたいと考えています。」
私:「承知致しました。
ただ、採用基準を上げるとなりますと
御社より採用力の高い競合他社との
人材争奪戦になります。
その結果、両社に内定する人材が増え
結局、御社の内定を辞退する方が増えますが
それも覚悟の上ですか?」
A社:「いやいや、それでは困ります。」
私:「困ると言われても
最終的には
内定された方が意思決定されますので
無理やり御社に入社させる事はできません。」
A社:「いやいや、ちょっと待ってください。
うちは、そんな立派な会社ほど
ハイレベルな人材を望んでいるわけではありません。」
私:「しかし、応募者に求める必須要件は同じですよ。
加えて、競合他社は未経験者も採用対象として
選考を進めています。
御社より、むしろ柔軟です。
尚且つ、御社よりも年収も高いです。
この状態では勝負になりません。」
A社:「うーん、そうですか?
そんな立派な人材でなくても
やる気があれば良いのですが・・・・・。」
私:「本当にやる気があれば良いのであれば
必須要件を増やさないでください。
採用市場は
御社の事情だけ動いているわけではありません。」
A社:「わかりました。
再検討します。」
採用活動はマーケティング活動であり
営業活動です。
採用市場における
「自社の採用力」 を
客観的に評価して
ターゲット人材の要件定義をすべきです。
また、そういう客観的で現実的な提案力が
我々、人材コンサルタントに求められています。
「やれなかった
やらなかった
どっちかな」 みつを
合掌。