「良い仕事をしようとすると会社は大きくならない?」
以前は
大手人材紹介会社で
エグゼクティブ・マネージャーだったAさんは
何百人ものメンバーを抱えて
大きな組織をマネジメントされていた
とても優秀な方です。
お人柄も素晴らしい方なので
個人的に親しくさせていただいています。
そんなAさんも
紆余曲折あって
数年前に独立開業されました。
私:「Aさん、最近の調子はいかがですか?」
Aさん:「うーん、まだまだですが
少し手応えを感じ始めています。」
私:「それは良かったですね。
どんな状況変化があるんですか?」
Aさん:「多方面から、お問い合わせが増えています。
その結果、業績も上がり始めました。」
私:「さすがですね。」
Aさん:「しかし、ここまで来る間に
色々な事を学びましたよ。」
私:「え、どんな事を学んだんですか?」
Aさん:「それは、自分は全てわかっているつもりだったのに
この業界やこの仕事の事を全然わかってなかった
という事です。」
私:「具体的には?」
Aさん:「大手人材紹介会社の中にいると
他にも色々な会社や
色々なやり方がある
という事がわからないですよね?」
私:「あー、そういう事ですね。
それは私も転職した時や
独立開業した時に痛感しましたので
とても共感します。」
Aさん:「結局、善悪ではなく
人材紹介会社とひとくくりに言っても
実情は全く違いますよね?」
私:「その通りですね。」
Aさん:「僕は両方に興味があるのですが
人材紹介会社と呼ばれる会社の中には
①本当の人材紹介会社
②人材紹介システム会社
という、二種類があると考えています。」
私:「なるほど。
感覚的にはわかります。」
Aさん:「僕は会社設立当初は
②人材紹介システム会社のやり方で
小さな会社を立ち上げようとしていたので
うまく行きませんでした。」
私:「おもしろいですね。
大変共感します。」
Aさん:「うまく行かない状況で
試行錯誤したわけですが
『そうか、同じ事業じゃないんだ!!』
とわかりました。
それから、やり方を
①本当の人材紹介会社
に変えました。」
私:「その結果、業績向上につながったわけですね?」
Aさん:「そうなんです。
簡単に言うと
『手間暇かけて良い仕事をしよう!!』
と決めて、やり方・動き方を変えました。」
私:「うーん、零細企業が生き残るには
それしかありませんよね?」
Aさん:「そうなんです。
だからこそ、良い仕事をしようと決めると
会社は大きくできない事がわかりました。
このやり方ではスケールしません。」
私:「零細企業は個人の信用しかありませんからね。」
Aさん:「やっと、本当の人材紹介業がわかって
これには僕もこだわりがあるので
細々と真面目にやっています。
ただ、②人材紹介システム会社
にも、強い関心があるんです。」
私:「それはなぜですか?」
Aさん:「一言で言うと
大きな規模・資本・システム・人材・ノウハウがなければ
世の中を大きく動かすような仕事ができないからです。」
私:「それはそれで理解します。」
Aさん:「職人が握る鮨屋と
スシローのようなチェーン店と
両方あってもいいじゃないかと。
両方の需要があると思います。」
私:「そうですね。
お客さんの需要に応じて
選べる方がいいですね。」
Aさん:「はい。
サービスの在り方や価格は全然違っても
両方に需要がありますから
自分は様々なお客様の需要に応える仕事をしたいと
考えています。」
「梅の木に梅の実
柿の木に柿の実
それでよいのです」 みつを
合掌。