「こんなに器の大きな社長が?」
「退職したい!!」 と言う社員を
執拗に引き留めて
ボコボコにして
辞めさせない会社もありますが
一方で
素晴らしく器の大きな社長さんが
出現して驚きました。
数か月前
その社長さんが経営する人材紹介会社の
トップコンサルタントAさんが
転職のご相談にお越しになりました。
私:「Aさん、こんなに業績を上げているのに
どうして転職を考えているんですか?」
Aさん:「当社は小規模なので
私と同じ領域を担当しているコンサンタルトがいません。
従って、今の私のやり方で本当に良いのか?
先輩や同僚がいれば
その人たちから新たな知識やスキルを学んで
もっと成長できるのではないかと
考えたからです。」
私:「なるほど。
Aさんのお気持ちはわかりました。
ただ、Aさんがいなくなると
今の会社の社長さんはお困りになるでしょうね。
本当に辞められますか?」
Aさん:「わかりません。
今まで、業績が上がらなくて辞めた人はいましたが
業績が上がっているのに辞めるのは
私が初めてなので
社長がどんな反応をするかはわかりません。」
私:「その辺の社長さんだったら
『バカヤロー!! 絶対に辞めさせないぞ!!』
と言われても仕方ないですね。」
Aさん:「はい。
そこは慎重に考えて進めますので
良い人材紹介会社を紹介してください。」
その後、さすがのAさんは
ご紹介した全ての会社に内定されました。
そして、内定された会社の中から
Aさんは、X社様に転職する決断をされました。
X社様がAさんにとって
最も成長できそうな環境だったからです。
私:「Aさん、いよいよ退職交渉ですね。
大丈夫ですか?」
Aさん:「はい。
これまでの感謝の気持ちと
転職理由を率直に話して
社長にご理解いただくしかありません。」
との事で、Aさんは、社長さんに辞意を表明されました。
私:「Aさん、社長さんの反応はどうでしたか?」
Aさん:「とても紳士的で、あらためて社長を尊敬しました。」
私:「え、社長さんはどんな事をおっしゃったのですか?」
Aさん:「『そうか、わかった。
その会社の事はよく知っているよ。
うちよりも全然良い会社だから
その会社に転職した方がいいよ。』
と言われました。」
私:「ほー、最近聞いた事が無いような
大物社長ですね。
凄い人ですね。」
Aさん:「社長にご理解いただいて
ホッとしました。
心から感謝します。」
昨今、「人材コンサルタント争奪戦」 が続いていますので
このような美談は本当に少なくて
私も、社長さんの器の大きさに驚き
感動しました。
Aさんの将来を思いやって
気持ちよく送り出してあげる
社長さんの親心に
私からも感謝申し上げます。
社長さん、誠にありがとうございました。
「おかげさん」 みつを
合掌。