「初めての転職は慎重に？」

新卒で初めて入社した会社に対しては

それなりの思い入れがあったり

育てていただいた恩義を感じたりする人が多いでしょう。

私もリクルートに関しては

良い思い出ばかりで

時々厳しい事も書きますが

大変恩義を感じています。

従って

特に、転職未経験の方々とは

「初めての転職は慎重に」

という事を念頭に置いて

ご相談させていただいています。

大前提として

「本当に転職した方が良い理由があるのか？」

という事を確認させていただきます。

具体的には

・「今は良くない環境だけども、改善の余地があるかもしれない？」　とか

・「明らかに学びが少ない環境で、今後も改善の余地がない？」　とか

ご本人にとって

・「まだまだ成長できるチャンスが多いのか？　少ないのか？」

そのような労働環境全般に関して聞かせていただきます。

労働時間や給与などの就労条件（ハード面）に関しても

経営者・上司・同僚との関係や社風などのソフト面に関しても

聞かせていただきます。

そこまで聞かせていただいたら

次は、ご本人が持っている本来の志向や性格に関して

話し合いながら一緒に確認・共有していくように進めます。

あらためてお話しすると

・「ご自分の本来の志向や性格に関して、最近は深く掘り下げて考えてない」

という事を自覚される人も少なくありません。

更に実際の転職活動を通じて、本来のご自分を再認識される事も多いです。

例えば、上司との人間関係が悪いために

本来は穏やかな人なのに

最近、周囲に対して非常に過敏になっているケースがあります。

それとは逆に

本来は自立的で向上心が強い人なのに

周囲からの影響や社風によって

小さく保守的になってしまっているケースもあります。

そんな事を話し合いながら

Ａ：どちらかと言うと、ウェットで感傷的で人間関係を重視するタイプなのか？

Ｂ：どちらかと言うと、ドライで理性的で割り切って選択できるタイプなのか？

どっちだろう？

というような事を共有していきます。

その結果

「Ａタイプで、今の環境に改善の余地がある人」

に対しては、無理に転職は勧めません。

人間関係さえ改善されれば

今の会社でも楽しくやっていける可能性が高いですし

今のまま転職しても

再度、環境要因で辞めてしまう可能性が高いからです。

逆に

「Ｂタイプで、今の環境に改善の余地が少ない人」

に対しては、本来の自立心を奮い起こして

転職する事をお勧めします。

昨日

「新たな環境で苦労しながらも充実しています。

　良い会社をご紹介いただき、ありがとうございました。」

というメールをお送りいただいたＸ様は

明らかにＢタイプの人でしたので

あえて背中を押して転職していただき

正解だったと考えています。

逆に

先日、内定辞退されたＹ様は

どちらかと言うと、Ａタイプの人でしたので

結果として、クライアントには申し訳ありませんが

現職に留まる決意をされて良かったと考えております。

こうして振り返りますと

「ご本人が置かれている環境」　や

「本来の志向や性格」　と言った要素を掛け合わせて

慎重にマッチングする事が

特に　「初めての転職を考えている方々」　にとっては

極めて大切だと実感しています。

「なやみはつきないな

　生きているんだもの」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。