「社長は部下に丸投げするな?」
2か月前に面識のないAさんから
お電話をいただきました。
Aさん:「はじめまして、Aと申します。
武谷さんのブログを読ませていただき
お電話しました。
私は人材紹介業未経験者なのですが
社長から急いで立ち上げろと命令され
困っています。
どうしたらいいでしょうか?」
私:「Aさん、面識もないのに
いきなりそんな電話はないでしょう。(笑)」
Aさん:「済みません。
失礼だと思いましたが
私は経営企画が本職で
営業経験もありません。
藁にも縋る思いでお電話しました。
できましたら、近々1時間程度
お時間をいただけないでしょうか?」
私:「ごめんなさい。
私は経営相談はやっていません。
私はコンサンタルトも家事もやっているし
土日も働いていますので
そんな暇はありません。」
Aさん:「そこを何とかお願いできませんか?」
あまりに熱心なので
その後、お電話で40分程度
お話しさせていただき
「人材紹介業のツボ」 のような概略をお話しました。
そんなAさんから
昨日の10時に再度お電話をいただきました。
Aさん:「以前、お電話をしたAです。
武谷さん、覚えてますか?
社長から、来月末までに売上を立てろと
命令されているのですが
人材紹介業はなかなか難しいですね。
どうしたらいいでしょうか?」
私:「そんな漠然とした質問されても困ります。
『こんな部分が難しくて困っているのですが
どうしたらいいですか?』 とか
もっと具体的な質問をしてください。」
Aさん:「求人は結構取れているのですが
人材探しが難しいですね?」
私:「初心者は皆さん、同じ事を言いますね。
Aさん、この仕事の肝は人材より求人です。
他のエージェントが持っていないような
魅力的な求人を開拓できていますか?」
Aさん:「いいえ、それはできてないです。」
私:「企業の社長さんとかキーパーソンに会って
他のエージェントとバッティングしない
CxO求人とか魅力的な求人を獲得できれば
人材探しは何とかなります。」
Aさん:「なるほど。
魅力的な求人開拓が大切なんですね。
私も社長が集まる会合とかには
参加しようと思っていました。」
私:「それは参加した方がいいですね。
しかし、その前にできる事があります。
御社の社長さんが仲良くしている社長さんたちがいるでしょう?
御社の社長さんのネットワークを活用してください。
まずは、御社の社長さんにアポイントを取ってもらって
仲の良い社長さんに一緒に会いに行ってください。
そこから、魅力的な求人を開拓できるかもしれませんよ。」
Aさん:「うちの社長がアポイントを取ってくれるかな?」
私:「社長さんが、人材紹介業を立ち上げたいのだから
それぐらいは社長さんにやってもらわないと
未経験者のAさんに丸投げでは
立ち上がる可能性はゼロですよ。」
Aさん:「わかりました。
社長にも協力してもらうように
頼んでみます。」
Aさんのお話を聞いていると
自分は何もせず部下に丸投げで
結果だけを部下に要求する
Aさんの会社の社長さんに対して
腹が立って来ました。
こういうダメ社長にならないように
先人の教えに学びましょう。
「社員にまかせても良いような新事業は、
はじめから 『わが社の将来の収益』 など期待できない。」 一倉 定
・新事業というものは、第一に、社長自ら身を挺してやるものだ。
世の中の社長の中には、新事業に自らはたずさわろうとせず、
他人まかせにする人がかなりいる。
難しい事業は他人に任せ、自らは永年手慣れた事業の方をみている。
やさしい方を自分がやり、難しい方を他人にまかせるとは、
いったい、どういう了見なのだろうか。
成功など夢の夢である。
社員にまかせてもよいような新事業は、はじめから 「わが社の将来の収益」 など
期待できないのである。
新商品・新事業の成否は、そのまま企業の将来の運命に直結する。
社長の役割が企業の未来をつくることにある限り、
社長自ら新事業に取り組み、総指揮をとるのが当たり前である。
「どろをかぶらずに
ほんものの
仕事はできぬ」 みつを
合掌。