「内定辞退6連発?」
先日、現役コンサルタントのAさんが
ご相談にお越しになりました。
私:「Aさん、今回はどうされたんですか?」
Aさん:「恥ずかしながら
内定辞退が6件も続きまして
こんな事は初めてです。」
私:「6件連続とは痛いですね。」
Aさん:「痛すぎます。
FEEも高い案件が多かったので
2000万円以上の売上を失いました。」
私:「そりゃ大変ですね。」
Aさん:「武谷さん、今更なんですが
どうしたらいいと思いますか?」
私:「キャンディデートのタイプにもよると思いますが
選考プロセスの要所で
軽く入社意向の確認はされていますか?」
Aさん:「例えば、どういう事でしょうか?」
私:「時々、ちょっと本音がわからないな?
と思うキャンディデートもいらっしゃいますよね。」
Aさん:「あー、います、います。
エージェントを使い慣れている人も多いので
本音がわかりにくい方は増えてますね。」
私:「そんな時、腹の探り合いになると
お互いに時間の無駄ですし
内定辞退になるとクライアントに迷惑をかけるので
軽いトーンですが
ストレートに質問する事があります。」
Aさん:「どんな質問ですか?」
私:「とても単純なのですが
『現時点での率直なお気持ちを伺いたいのですが
この会社に内定されたら入社されたいですか?』
と質問します。」
Aさん:「確かにストレートな質問ですね。
でも、そんな質問をしても
答をはぐらかされませんかね?」
私:「その通りですね。
答をはぐらかすキャンディデートは
一旦、ヨミからはずします。
他社が第一志望だというケースもあるでしょうし
私自身を信頼していただいていない可能性もあります。
そこで、私に何か落ち度があったのではないか?
と、振り返って考えます。」
Aさん:「それからどうするんですか?」
私:「キャンディデートをプレッシャーから解放するように
働きかけます。
『内定したからと言っても必ず入社する必要はないので
ご不満やご要望があったり、他社が第一志望である場合は
率直におっしゃってください』 とか
『私のサービスに対して、ご不満やご要望があれば
できるかぎり改善しますので、率直におっしゃってください』 とか
ちゃんと話して
キャンディデートがプレッシャーを感じないようにします。」
Aさん:「そんな事を言えば
キャンディデートの態度は変わりますか?」
私:「『私がご紹介した企業に入社される必要はないので
ご自由に選択してください』 と申し上げるわけですから
ほとんどの方は、態度が柔らかくなります。
相手を追い込まない事が大切だと思います。」
Aさん:「なるほど。
そう言われると
私は、キャンディデートにプレッシャーをかけて
追い込んでいたような気がします。
自分の業績が悪くて追い込まれていたので
勝手に一人相撲をとっていたような気がします。」
私:「誰でも追い込まれると焦ってしまい
バッドサイクルにはまってしまいますよね。
そんな時は、ちょっとクールダウンして
気分転換しましょう。」
Aさん:「例えば、どんな気分転換ですか?」
私:「Aさん、お時間があれば
近くに 『人材紹介神社』 と呼んでいる場所があるので
そちらにご案内します。」
Aさん:「あー、その神社、行ってみたいと思ってました。」
私:「そうですか。
それではご案内しますので
一旦、心を無にして
今日と言う日に感謝しましょう。」
その3か月後
Aさんからお電話をいただきました。
Aさん:「あの後、仕事の調子が良くなりまして
先月は2件、今月は3件、決まりました。
心にゆとりを持って
キャンディデートにプレッシャーを感じさせないという事は
今更ながら大切な事ですね。」
「にんげんはねえ
追いつめられると
弱いもんだな
ひとごとじゃない
自分のこと」 みつを
合掌。