「7月から採用をストップするよ?」
先日
あるクライアントの経営幹部の方から
言われた言葉です。
採用活動は上半期で一段落させ
下半期は景気動向を注視し
様子を見るという事です。
米中貿易摩擦による
中国経済の減速。
それによって
中国向け輸出が減少するなど
景気に対する不安要素が出てきており
円高・株安傾向になっています。
日本を代表する製造業の大企業が
日経平均225銘柄の中心的存在になっていますし
円高・ドル安になると
外国人投資家が 「為替差損」 を避けるために
利益確定売りに走るからです。
また、安倍首相が踏み切るかどうかわかりませんが
10月には消費税増税も予定されています。
とにかく、景気見通しが
弱気な方向に向かっている事は
最近の傾向ですが
「景気の気は気分の気」 とも言います。
仮に、輸出型の製造業の業績が減速しても
求人市場は製造業に限った話ではありませんし
同じ製造業でも景気の影響を受けない
独自の技術を持つ中堅企業やベンチャー企業もあります。
こんな時は逆に
例えば、円高によって材料を安く仕入れる事ができるなど
円高の恩恵を受ける産業や企業に目を向け
そんな領域での求人開拓の注力するべきです。
現在、自社が取引しているクライアントを
輸出型企業と輸入型企業とに分けてみてください。
円高になると
自動車や産業機械など製造業の求人は減少しますが
それに対して、輸入(内需)型産業である食品業界や医薬・医療業界はどうでしょう?
求人や人材が輸出型産業から輸入(内需)型産業へシフトする様子を
見られるかもしれません。
リーマンショック後の2010年1~2月から求人が増え始め
今日まで10年以上も求人が増え続けている事自体が
過去に前例がない好景気を
人材紹介業界にもたらしました。
そして、求人過熱、人材不足になって
スカウトメールの返信率はアホみたいに下がり
大量の内定辞退も発生しています。
景気というものは良くても
それなりの弊害を伴うものです。
少々景気が減速すれば
新卒採用市場も中途採用市場も
むしろ、市場は落ち着きを取り戻すでしょう。
求人数は少々減少しても
個別に丹念に探せば
成長企業や優良企業は必ずあります。
そんな 「探客(たんきゃく)能力」 は
人材紹介コンサルタントに最も必要な能力です。
しかし、この10年間求人が増え続けたために
待っていても求人依頼が来ますから
コンサルタントの 「探客(たんきゃく)能力」 も落ちています。
待っても来ないのであれば
こちらから能動的に探せばいいだけです。
景気減速は
人材紹介コンサルタントの真の力量が試される
良い機会です。
クライアントにとっても
良い人材を採用できるチャンスです。
「途中にいるから
中ぶらりん
底まで落ちて
地に足が着けば
ほんとうに落ち着く」 みつを
合掌。