「適性テストを過信してはいけない?」
限られた時間の面接において
面接官の判断だけを頼りに
応募者の合否を判定するのは
「一定の採用リスク」 があるでしょう。
しかし
「採用リスク」 を危惧しながらも
採用した以上は
その社員を育成する義務があります。
そこで 「採用リスク低減」 のために
客観的に
多面的に
科学的に
合否判定をするために
「適性テストを活用してみよう」
という企業は多く
その方針はわかります。
多分、私も新卒採用や未経験者採用には
使ってみるかもしれません。
ただ、とても気をつけなければいけないのは
「長所と短所は裏腹だ」
「リスクと革新も裏腹だ」
という事です。
例えば、先日も下記のような事例がありました。
1 「対人対応力が必要な営業的仕事には適性が低い」 というテスト結果が出た。
⇒ 人材コンサルタントの仕事は、昔のTELアポ営業や飛び込み営業とは違ってきています。
むしろ、アッパーミドル層を対象とする高付加価値な人材紹介をするならば
愛想が良くて多くの件数をこなす昔ながらのセールスパーソンよりも
丁寧で思慮深く高度な専門性を持つコンサルタントの方が
顧客に信頼されるので向いているとも言えます。
2 「目標達成意欲や他人との競争心が低い」 というテスト結果が出た。
⇒ これこそ
自分の価値観をしっかり持っているコンサルタントだからこそ
短期的な目標や他人との競争より
「顧客に対して良い仕事をしよう」 という意志が強いとも言えます。
3 「協調性が低い」 というテスト結果が出た。
⇒ これも程度問題でしょう?
面接においても、過去のご経歴を確認しても
面接官は 「協調性が低い」 と思ったのでしょうか?
そのように思わなかったからこそ
面接は高評価で通過しているわけです。
「協調する」 という事は
ただ、他の社員と仲良くするという事ではありません。
その時、その場、職場仲間にとって
協力する必要があると判断した時は
ちゃんと協力するという事です。
「協力する必要がない案件は
自分の責任できちんと対応する」
という、プロ意識の表れだとも言えます。
上記のように
人の長所と短所というものは
裏腹の関係です。
もっと言うと
「これと言った短所がない人」 は
「これと言った長所もない人」 かもしれず
魅力に欠ける人かもしれません。
従って
適性テストの結果を
妄信しない事が大切です。
その結果を過度に信用するのであれば
もはや、人間が面接する必要もありません。
面接官の方々は
「適性テスト」 はあくまで参考材料とお考えいただき
ご自分の判断に
自信と責任を持ってください。
スタープレイヤーの●●氏も
立派な経営者の●●氏も
「適性テスト」 では
突出した結果ではなかったのに
大活躍している事が
それを証明しています。
「対人対応力が低い」&「目標達成意欲が低い」&「協調性が低い」
という三重苦の私も
素晴らしいお客様や上司や仲間に恵まれ
自分の弱点を少しずつ修正した結果
今でもこの仕事を続けています。
「適性テスト」 の結果は不変なものではなく
数年おきに受験するたびコロコロ変わります。
これはこれでおもしろいです。
「どんな雑草でも
時期がくれば
だまって
自分の花を咲かせ
自分の実をつける」 みつを
合掌。