「俺の評価が下がるから辞めるな?」
昨年
ご相談にお越しになったAさんは
現役の人材コンサルタントでした。
業績もお人柄も良かったので
とんとん拍子に
第一志望企業に内定されました。
しかし
大変だったのは
その後の退職交渉でした。
Aさんは
以前から信頼していたマネージャーに
相談しました。
そのマネージャーなら
快く新天地に送り出してくれるだろうと
思っていたからです。
Aさん:「突然で申し訳ないのですが
実は転職したいと考えています。」
マネージャー:「えー!!
マジか?」
Aさん:「済みません。
もっと早く相談すればよかったのですが
マネージャーも忙しそうだったので。」
マネージャー:「お前、突然転職なんて
本当に困るよ。」
Aさん:「本当に済みません。
ただ、もう転職先も決まっているので
後戻りできません。
何とか認めてください。」
マネージャー:「うるせー!!
お前が辞めたら
俺の評価が下がるんだよ!!」
Aさん:「え!!
自分の評価が下がるから
辞めさせてくれないんですか?」
マネージャー:「とにかく認めないから辞めるな。
わかったか?」
Aさん:「そうですか?
マネージャーならわかってくれると
思っていたんですが
何か残念です。」
確かに
優秀なメンバーに辞められるのは
マネージャーにとっても
会社にとっても
とても痛い事です。
しかし
「お前が辞めたら
俺の評価が下がるんだよ!!」
という一言で
信頼関係が壊れてしまいました。
マネージャーは
Aさんの事より
自分の事を考えていました。
「メッキが剥げる」
とは、こういう事ですね。
その後も
すったもんだ
大変でしたが
Aさんは新天地で
伸び伸びと大活躍しています。
「ひとの世の幸不幸は
人と人とが逢うことから
はじまる
よき出逢いを」 みつを
合掌。