「年収より一緒に働く人で決めた?」
1年以上前に
友人からご紹介いただいたAさんは
プロのヘッドハンターです。
「ヘッドハンター」 と言うと
いかにもアグレッシブで
肉食的人物を想像されるでしょうが
大変温厚で安心感を持てる方です。
仕事においても
お客様との信頼関係を重視され
コツコツとロングタームで
フォローされる方です。
決して 「無理強い」 はされません。
そこには
Aさんなりの確固たるポリシーを持たれています。
従って
私としても
「絶対に引く手あまたのヘッドハンターだけど
しつこく追いかけるのはやめよう。
Aさんの中で機が熟すまで
黙ってじっくり待っていよう。」
と決めていました。
ただ、Aさんの事は
いつも心に留めていました。
そうして1年が経過したある日
「武谷さん、覚えてますか?
Aです。
今回は本気で転職する覚悟ですので
また相談に乗ってください。」
という、ご連絡をいただきました。
私:「Aさん、ご無沙汰しております。
転職できる状況になりましたか?
ご家庭の事も大丈夫ですか?」
Aさん:「はい、大丈夫です。
今回は家族も
賛成してくれています。」
私:「わかりました。
それでは、Aさん
私は何でもかんでも
たくさんはご紹介しません。
Aさんのキャリア、お人柄、ご希望条件に
フィットする会社に絞って
お薦めします。」
Aさん:「私も選ばずにたくさん受けるのは
お互い無駄だと考えています。
武谷さんのお薦め企業だけを
ご紹介ください。」
その結果
X社様だけに絞り
ご紹介させていただきました。
X社様の経営幹部の方々は
「Aさんのようなコンサルタントが欲しかったんです!!
スキルもお人柄も素晴らしいですね。
できる限りの事をして
当社にご入社いただきたいです。」
というように、大歓迎モードでした。
ところが
Aさん:「武谷さん、実は他2社からも
オファーが出ました。
1社は辞退させていただくつもりですが
残り1社とX社さんと
どちらが良いのか
少々考えさせてください。」
Aさんが教えてくれたのですが
もう1社の給与条件が非常に高くて
その内容を伺った時は
「これは負けたな」 と思いました。
ところが1週間後
Aさんから、有難いご連絡をいただきました。
Aさん:「今回は、ご紹介いただいたX社さんに
お世話になりたいと思います。」
私:「え!!
Aさん、本当ですか?
なぜ、そのようなご決断をされたのですか?」
Aさん:「はい。
理由は、大きく二つです。
①X社さんの部長さんや課長さんは素晴らしい方々です。
あんな方々と一緒に、ストレスなく働きたいです。
②立派な組織で働ける最後のチャンスだと思います。
家族の事を考えても、それは重要だと考えました。」
このAさんのコメントを
X社様の部長さんにお伝えしましたら
非常に喜んでいらっしゃいました。
部長さん、最後までご尽力いただき
誠にありがとうございました。
Aさん、中長期的な観点から
X社様をご選択いただき
誠にありがとうございました。
「ひとの世の幸不幸は
人と人とが逢うことから
はじまる
よき出逢いを」 みつを
合掌。