「貴方はこの業界に入らない方がいいですよ?」
先日、超大手企業のエリート社員Aさんから
お問合せをいただきました。
20代後半。年収1000万円。借り上げ社宅付き。ご家族あり。
Aさん:「どうしても人材紹介会社に転職したいんです。
人の役に立ちたいんです。」
私:「働いている人は
誰でも誰かの役に立っています。
そんな安易な理由で
転職するのは考えものです。」
Aさん:「自分なりに転職サイトに登録したり
人材コンサルタントにも相談して
その上で、人材紹介会社に転職したいと
真剣に考えています。」
私:「どんな転職サイトや
どこのコンサルタントに相談して
どんな情報を収集しているんですか?」
Aさん:「●●サイトや
●●エージェントに相談しています。」
私:「そこで、具体的にどんな情報提供や提案を受けているんですか?」
Aさん:「X社さんのご紹介を受けたのですが
とても魅力を感じています。」
私:「ろくでもない情報提供ですね。
X社なんかに転職したら
貴方はつぶれてしまうし
奥さんもご両親も泣かせる結果になりますよ。」
Aさん:「でも、妻や両親にも相談しながら
転職活動しているんです。」
私:「奥さんやご両親が
人材紹介業や個別の人材紹介会社に関して
何がわかると言うんですか?
ご家族を泣かせるのはやめてください。」
Aさん:「やっぱり、そうなんですか・・・。
そういう本当の話が聞きたくて
今回ご相談しようと思ったんです。
セカンドオピニオンが必要だと思って。」
私:「Aさん、これまでたくさん勉強して
一流大学に入学して
日本で最も給与の高い安定企業に入社して
結婚もされて
本当に家族が泣きますよ。
そんな事なら
どうして就活の時に
人材紹介業を志望しなかったんですか?」
Aさん:「就活では何も考えずに・・・・・。」
私:「年収は半分以下のせいぜい400万円。
社宅なんかありません。
どこまで条件を落とせますか?」
Aさん:「今が1000万円なので
800万円ぐらいまでは落とせます。」
私:「目の前にいたら
怒ってますよ。」
Aさん:「いや、固定給が低くても
インセンティブで稼げると聞いたので。」
私:「法人営業経験もないのに?
稼げるわけないですよ。
ある意味で
この業界をバカにしてますね。」
Aさん:「バカになんかしてません。」
私:「みんな、生きていくために
精いっぱいなんです。
必死に仕事してるんです。
わかってます?」
Aさん:「私もそれなりの覚悟です。」
私:「それで年収800万円希望?
その程度の覚悟では
貴方は人材紹介会社に合格しないでしょうし
もし転職できたとしても
家族も自分も後悔する結果になると思います。
少なくとも今はもっと慎重に考えて
思い留まった方がいいです。」
Aさん:「また、ご相談の機会をいただけませんか?」
私:「ちょっと頭を冷やして
1~2週間後に話しましょう。」
この程度の覚悟で
この程度の情報収集で
こんなに恵まれた境遇にいる人を
安易に転職させてはいけません。
「そのとき
どう動く」 みつを
合掌。