「相手が社長でもハッキリ言ってますか?」
新人時代から
30年以上お付き合いいただいている
立派な社長さんがいらっしゃいます。
防衛大学卒。
入隊後、数年して渡米。
アメリカで日本拳法の師範を務める。
帰国後、ハイテク商社の営業部長。
その後、米国企業の日本法人立ち上げ社長。
米国本社が、NASDAQ上場。
日本での業績が評価され
米国本社副社長に就任。
その後、独立し
社会貢献活動と
事業運営を両立。
という凄い人です。
私が新人時代
ちょくちょく営業に行かせていただき
とても温かく対応していただきました。
社長も
たたき上げの営業出身なので
営業マンの気持ちがわかるんでしょうね。
仕事ができるだけではなく
とても情のある方です。
そんなある日
私はいつものように
社長宛、訪問しました。
訪問目的は
新たな商品のご提案でしたが
社長は非常にお忙しそうでした。
私:「社長、今日は新たな商品のご提案に参りました。」
社長:「悪いけど、今日は忙しいんだよ。
日を改めてくれない?
採用ばかりが社長の仕事じゃないからさ
そればかりに手間暇かけられないよ。
帰ってくれる?」
私:「・・・・・。
『採用ばかりが社長の仕事じゃない』 ?
『そればかりに手間暇かけられない』 ?
そんな事を本気で言ってるんですか!!
立ち上げの今こそ
人材採用が最も重要な仕事じゃないですか!!」
その瞬間、社長の顔色が変わりました。
絶対怒られて
取引停止になると思いました。
しかし
社長:「・・・・・。
うん、確かにそうだよね。
ごめん、悪かった。
ちゃんと話を聞くから
説明してくれる?」
この言葉を聞いた瞬間
感動して
少しの間、何も言えませんでした。
こんな若造で
経営経験も無い
私の暴言にも近い言葉を
正面から受け止めて
聞いてくださった社長の
人間の大きさに触れさせていただきました。
私も
「これで取引が無くなっても構わない」
という覚悟で言いましたが
社長の器の大きさには
頭が下がりました。
その後
会社のご発展と共に
益々取引が増えました。
私も数字が足りない月末は
私:「社長、今日は一緒に昼飯を食いませんか?」
社長:「その昼飯は、随分高くつきそうだな。(笑)」
という感じで
ランチを食べながら
定食屋さんで申込書にサインしていただきました。
そんな新人時代のお付き合いが
その後、更に大きなドラマに発展しました。
そのお話はまた後日。
「おかげさん」 みつを
合掌。