「武谷さんのアドバイスは役に立ちませんでしたよ?」
先日内定したAさんは
人材紹介コンサルタントは未経験で
且つ、営業経験もありませんでした。
しかし、新卒入社した厳しい会社で
5年間も懸命に働き
立派な業績を残していました。
お会いした印象も大変良かったので
「意地でも決めたい!!」
と思って
「これは何か接点があるかもしれない?」 という
X社様に売り込ませていただきました。
●●役員様
お世話になっております。
しっかりした、28歳の男性です。
未経験者で、法人営業経験も無いのですが、
素晴らしい人材に、昨日会いました。
御社のBさんやCさんに近い雰囲気があります。
急成長した(その後上場)ベンチャー企業に入社し、
高業績を維持して来ました。
是非、ご面接いただければ幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
(株)プロフェッショナル・サーチ
武谷 広人
それに対して
役員の●●様から、下記の返事をいただきました。
武谷様
ありがとうございます。
お会いしますので、ご本人の可能な日程を
複数ご提示いただけますか。
何卒宜しくお願い致します。
あー、良かった!!
面接してもらえるんだ。
そう思って
私はAさんに、不必要なアドバイスをしてしまったようです。
・「人材紹介業未経験なんだから、なぜ人材紹介コンサルタントをやりたいのか?」
・「人材紹介会社が多数ある中で、なぜX社様なのか?」
上記のような、
志望動機をしっかり答えられるように準備しましょう。
そして、事前に業界の手引書まで読んでいただき
志望動機の部分を固めていただきました。
ところが
私:「Aさん、今日の面接はどうでしたか?」
Aさん:「武谷さんのアドバイスは役に立ちませんでしたよ。(笑)」
私:「えー!!
どういう事ですか?」
Aさん:「志望動機に関する質問はほとんどありませんでした。」
私:「え? それじゃあ、どんな質問をされたんですか?」
Aさん:「私が幼少の頃から
どんな環境で育ち
何を体験して
何を学び
どんな苦労を乗り越えて
今の私になったのか?
というような質問でした。」
私:「あー、そうか!!
まさに、人間性に関する質問ですね。
しまった。
しかし、その質問に対しては
自然体で答えられましたか?」
Aさん:「はい、そうですね。」
私:「ごめんなさい。
未経験のAさんを
それも人間性重視のX社様にご紹介したのに
つまらないアドバイスばかりしてしまいましたね。」
Aさん:「いいえ、そんな事はありません。
事前に準備をしたから
人材紹介業に対する理解も深まり
落ち着いて面接に臨めました。
それから、私のこれまでの人生や経験を
丁寧に聞いていただき
役員の●●さんには
心から感謝しております。
さすが、武谷さんにご紹介していただいただけの
素晴らしい会社だと思いました。
是非、X社様に入社したいと思いました!!」
さすがAさん
どっちが人材コンサルタントかわかりませんね。
その後、X社様の社長さんや他の社員の方々との面接も進み
取締役の●●様から
下記メールをいただきました。
武谷様
お世話になります。
●●です。
ご連絡遅くなりました。
A様ですが、満場一致で合格となりました。
ありがとうございました。
内定通知書は明日か明後日には送付致します。
以上、取り急ぎの共有となりました。
何卒宜しくお願い致します。
このX社様は、ここ数年大躍進されています。
その秘訣は
「人物重視採用」 と 「みんなで関わる人材育成」
だと思います。
そんな本質を見落として
私はAさんに
見当違いなアドバイスばかりしていました。
まだまだですね。
「おかげさん」 みつを
合掌。