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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「質問に対する答が簡潔すぎてNG?」

「質問に対する答が簡潔すぎてNG?」

お恥ずかしいですが

これは私の失敗事例です。

昨年、ご相談にお越しになった

元キャンディデートAさんのお話です。

Aさんは

とても明るく元気で

お話好きな方でした。

Aさんと面談した後

Aさんのご経験や志向と合致している思われる

2~3社のクライアントに絞って

ご紹介させていただきました。

その2~3社の中に

クライアントのX社さんが含まれていました。

そして、Aさんの第一志望は

そのX社さんでした。

私は、AさんがX社の面接に臨まれる前に

アドバイスをさせていただきました。

私:「Aさん、X社の好みのタイプって

   どんな人材だと思いますか?」

Aさん:「うーん、どうですかね?

     厳しそうな会社ですから

     すぐに業績を上げられる

     即戦力が欲しいのではないでしょうか?」

私:「そうですね。

   即戦力であれば文句はないでしょうが

   Aさんは、人材紹介コンサルタント未経験者ですから

   少なくとも半年や1年は

   じっくり上司や先輩が育ててくれますよ。

   早く結果を出したいと思う気持ちは大切ですが

   そんなに焦らなくてもいいですよ。」

Aさん:「それじゃー、私はどんな感じで面接に臨めばいいでしょうか?」

私:「未経験者の場合は

   どこの会社でもほとんど同じなんですが

   大きく三つの要件を求めまれます。

  ①基礎能力(学習能力やコミュニケーション能力)

  ②社風と性格との適合性

  ③過去の経験の再現性

   この三つです。」

Aさん:「①と②はわかりますが

     ③の 『再現性』 というのは

     具体的にどういう事でしょうか?」

私:「簡単に言うと

   前の会社や仕事での経験が

   人材紹介コンサルタントの仕事でも活かせそうか?

   という事です。」

Aさん:「あー、なるほど。

     再現フィルムの 『再現性』 ですか?」

私:「その通りです。」

Aさん:「そんな質問であれば

     私は現職でも新規開拓法人営業の経験豊富ですし

     ちゃんと目標達成もしていますから

     簡単に答えられますよ。」

私:「そうでしょうね。

   私もAさんであれば

   内定される可能性が高いと思います。

   ただ、特にX社の面接では

   気をつけていただきたい事があるんです。」

Aさん:「え?

     何か特別に気をつけるべき事があるんですか?」

私:「はい。

   とにかく、社長さんの質問に対しては

   結論を簡潔に答えてください。

   X社の面接不合格理由の中で

   とにかく一番多いのは

   『話が長い』 という事なんですよ。」

Aさん:「ははー、結論を簡潔にですね?

     調子に乗ってベラベラしゃべったら

     不合格になるわけですね。

     わかりました。

     社長さんの質問には

     極力、簡潔に答えます!!」

私:「はい、その通りです。

   面接では

   聞かれてもいない事を

   ベラベラしゃべらない事が大切です。」

Aさん:「いやー、ありがとうございます。

     もし、武谷さんのアドバイスを聞かないで

     面接に臨んだら

     ベラベラしゃべってしまって

     不合格になる所でした。」

私:「ありがとうございます。

   それでは、是非とも内定をGETしましょう!!」

という事で

AさんはX社の面接に臨まれたのですが

結果は残念ながら

予想外の不合格でした。

私はすぐに

X社の社長さんに電話しました。

私:「社長、どうしてAさんが不合格なんですか?」

社長:「えー?

    だって、面接での会話が

    あまりにそっけなかったですよ。」

私:「えー!!

   そっけない?

   普段は明るく元気で

   そんな人じゃないですよ。」

社長:「だって、今の会社で業績が良い理由は何ですか?

    と質問したら

    『他の営業マンの2倍働いているからです』

    と言うので

    それだけですか? と聞いても

    『はい、それだけです!!』 と

    あまりにそっけなく面白味もない回答で

    これ以上質問しても仕方ないなと思いましたよ。」

私:「わー、やらかしてしまいました!!」

社長:「何をやらかしたんですか?」

私:「社長は話が長い人は嫌いだから

   とにかく質問には簡潔に答えてください。

   ベラベラしゃべらないでくださいと

   何度も念押ししたんですよ。」

社長:「それにしても

    社長の私が聞いているのに

    あんなに自分の事を説明しない人は珍しいですよ。

    だから、不合格にしました。」

私:「社長!!

   それは私の責任ですから

   もう一度、Aさんと会っていただけませんか?」

社長:「いやー、一度不合格にした人ですし

    武谷さんのアドバイスをそのまま丸のみしてしまって

    その場その場に応じた対応ができないのでは

    当社に入社しても

    それほどの戦力にはならないでしょう?

    済みませんが

    今回は、ご縁が無かったという事で

    宜しくお願い致します。」

私は、不合格になったAさんに申し訳なく

理由を詳しく話して

謝罪しました。

非常に悔やまれるケースでした。

素直で単刀直入なAさんに対しては

もっと、かみ砕いた丁寧なアドバイスすべきでした。

その後、X社さんでの失敗もふまえて

第二志望だったY社さんの面接に臨んでいただき

Aさんは 「Y社で良かったです」 と幸せそうに働かれています。

私の不行き届きが原因ですが

良かったのか?

悪かったのか?

    

「柔道の基本は受身

 受身とはころぶ練習

 負ける練習

 人の前で

 恥をさらす練習」                                      みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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