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社長ブログ 人材コンサルタント25年史

「採用するする詐欺?」

「採用するする詐欺?」

「おーい、ちょっと待ってくれよ!!」

と言いたくなる事例です。

私:「人事部長、Aさんの結果はいかがでしょうか?」

部長:「もちろん、内定ですよ。

     さすがに優秀な人物ですね。

     社長も絶賛してましたよ。」

私:「ありがとうございます!!

   ところで、問題の年収ですが?」

部長:「もちろん、現在の年収は保証しますよ。

     ケチって辞退されては困りますからね。」

私:「いやー、良かった。

   ご配慮いただき、ありがとうございます。

   それでは、次回はオファー面談ですね?」

部長:「そうですね。

    早速、オファー面談を実施しますから

    Aさんのご都合をお教えください。」

その後、無事にオファー面談も実施され

内定されたAさんも

勤務中の会社に辞意を表明され

入社日も決まりました。

しかし

「いやー、良かった良かった」 

などと思って胡坐(あぐら)をかいていたら

部長:「もしもし、あのね他でもないAさんの件で

    ちょっと困った事になったんですよ。」

私:「え、それはどういう事ですか?」

部長:「Aさんには言わないでほしいんだけど   

    実は、会長が難色を示しているんですよ。」

私:「えー、会長さんは事実上引退されたのでは?」

部長:「それがね、最近また元気になって

    色々と口を出し始めてね。

    『古参の経理部長を差し置いて

    いきなり外からCFOを採用するとは何事だ!!』

    と言い出しましてね。」

私:「ちょっと待ってください。

   既に、Aさんは現職を辞める事になっているんですよ!!」

部長:「いやー、会長は創業者で

    未だに最大株主ですからね。

    簡単にスルーできないんですよ。

    申し訳ないですね。」

私:「申し訳ないで済む問題じゃないですよ。

   社長さんや他の役員の方々は

   どのようにおっしゃっているのですか?」

部長:「いやー、会長に逆らえる人はいないよ。」

私:「今回の採用のお話は

   事前に会長の承認は得てなかったのでしょうか?」

部長:「そうなんですよ。

    ずっと社長主導で進んで来ましたし  

    まさか最後に会長が口を出すとは

    誰も考えてなかったんですよ。」

私:「御社内のご事情は、承知致しました。

   ただ 『誰も考えてなかったんですよ』 で

   済まされる問題ではありません。

   まさか、内定取り消しにはならないですよね?」

部長:「いや、非常に申し訳ないが

    そこを何とかお願いできないかと思って

    お電話した次第です。」

私:「そうなんですね。

   御社の中では結論が動かせないのですね?」

部長:「非常に難しいです。

    お察しください。」

私:「わかりました。

   この事を、私がAさんに話してしまうと

   もっと大変な事になります。

   おわかりですね?」

部長:「申し訳ない。」

私:「大変な事になる前に

   御社内で再度、最終的な意思決定をお願いします。

   私も役員会に出席させてください。」

部長:「うーん、それはできません。

    わかりました。

    社長と話した上で

    再度、会長に話していただくようにします。」

私:「わかりました。

   Aさんやご家族の人生がかかっているお話ですから

   責任ある企業として慎重にご検討ください。

   何卒宜しくお願い致します。」

このケースは

結果として、Aさんをご採用いただき

何とか事を収める事ができましたが

非常に危い事例でした。

今も私の教訓になっております。

このように、内定したからと言って

安心できないケースがあるので

「どこの誰が最終決裁者なのか?」

を事前に確認し

気をつけないといけません。

(代表的な危ないケース)

1 最後に創業者が口を出して来る。

2 最後に親会社が口を出して来る。

3 最後に外国の本社が口を出して来る。

「米国本社のアプルーバルが取れない」 とか

「四半期決算が悪そうなので

 しばらくの間、全世界で採用フリーズです」 とか

結構よくある話ですよね。

くれぐれも気をつけましょう。

「その時 

 どう動く」                                                みつを

合掌。

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プロフィール


武谷 広人
人材ビジネス経験の蓄積と、自らのトップマネジメント経験を強みとする。経営幹部から専門職まで約500件の案件を成功に導く。

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