「求人の全件受理義務はナンセンス」
有料職業紹介事業者の義務として
「求職申込の全件受理」 は心得ています。
従って、折角ご相談していただいた方に対して
決まりそうもないから
何も返事をしないとか
メール1本で断るとか
そんな事は致しません。
人材紹介会社によっては
「この人は決まらないなー」
と判断したら
メール1本で断るか
無視している会社もあると思います。
特に、大手人材紹介会社は
登録者があまりに多くて
一人一人に丁寧な対応ができない
という物理的問題がある事は十分承知しています。
ただ、私のように個人でやっていて
登録者も少ない零細企業であれば
一人一人に電話をかけて
「お問い合わせいただき、ありがとうございます。
ただ、●●●のような事情で、ご紹介できる求人がございません。
誠に申し訳ございません。」
というように個別対応する事も可能です。
「なぜ、そんな事をやってるの?
お金をもらってるのは、求人企業なんだから
そこまでやる必要ないでしょう?
バカじゃない?」
と思われる方も多いと思いますが
有料職業紹介事業免許を掲げてビジネスをやるという事は
社会的責任において
「決まる人だけを相手にして
決まらない人は無視する」
などという事は許されないのです。
きれいごとじゃなくて
ビジネスとのトレードオフの関係ですから
嫌でもやらないといけないのです。
決まらない人を放置するなら
さっさと免許は返上して
裏社会のヘッドハンターになるしかないのです。
従って 「求職申込の全件受理」 は
義務として受け止め、ちゃんと対応しなければいけません。
一方で、 「求人申込の全件受理義務」
というのはいかがなものでしょうか?
私は、簡単に申し上げると
「人材をご紹介しても短期間で辞める可能性が高いな」
と判断した会社の求人は受け付けません。
断ります。
仮に、一旦は知らずに受け付けたとしても
その企業の実態を知ったら
すぐに人材のご紹介をSTOPします。
人材紹介契約の更新もしません。
従って、 私は
「求人申込の全件受理義務」 に関しては反対どころか
ナンセンスだと考えております。
良い会社に絞って
人材をご紹介する事こそが
我々エージェントの責務ですから
「求人全件受理義務」 は
その理念に逆行します。
もちろん、 「良い会社」 「悪い会社」 と言うような判断は
個々の人材紹介会社やコンサルタントの判断に委ねられるものなので
絶対という判断軸はありません。
しかし、 「人間としての良心」 という判断軸だけは
持ち続けていないと
転職希望の方々のご相談を受ける価値が無いと思います。
要するに
「何でもかんでも紹介するなら、エージェントとしての介在価値が無い」
という、何度もこのブログに書いている事です。
しかし、一体どのような背景で
「求人申込の全件受理義務」 などという法規制ができたのか?
特定の業界や職種に特化している人材紹介会社は
それ以外の業界や職種の求人でも全件受理する義務があるのでしょうか?
全然現実的ではありませんね。
全く理解できませんので
近日、役人さんか、詳しい人に聞いてみます。
「自分が自分にならないで
だれが自分になる」 みつを
合掌。