「紹介業と派遣業とのコミュニケーション特性の違い」
結論から申しますと
同じ人材ビジネスでも
人材紹介会社における
社内のコミュニケーション特性はゆるい方だと思います。
よく言えば、フラットでオープン?
社外をあまり気にしなくてもいい。
それに対して
会社によっても異なるでしょうが
人材派遣会社における
社内のコミュニケーション特性は
比較的きちんとしていると思います。
人材紹介業における登録人材は
あくまで全く社外のお客様です。
それに対して
人材派遣会社(一般派遣)における登録人材(スタッフさん)は
お客様でもありますが
稼働されている時は
共に働く同僚(社員)でもあります。
そのような登録人材(お客様)との関係性の違いから
大きな差が生まれます。
人材紹介業は
自社を通じて転職してくれる人材が
リアルなお客様で
転職して働き始めると
クライアントの社員になるわけですから
転職後は、ほとんど放置している会社が多いです。
それに対して
人材派遣業は
自社を通じて派遣先企業で稼働していただけるスタッフさんが
リアルなお客様であり、且つ
稼働中は雇用契約上も自社の社員です。
その上、稼働後に様々な悩み相談やクレームもあり
スタッフさんと共に
その問題を乗り越えなければなりません。
まさに 「お客様」 であり 「共に働く同僚」 でもあります。
更に、大小様々な法改正に
長年悩まされて来ました。
従って、人材派遣業の社員には
きめ細やかさやホスピタリティーが要求されます。
そのような業界事情からか
人材派遣業の経験者は
優しく繊細で我慢強い人が多いです。
一方、 「売り切り型」 の人材紹介業しか知らない人は
良くも悪くも 「ザックリ」 しています。
「売れない人材には用が無い」
と、コンサルタントによっては
冷淡な対応をする人も少なくありません。
ただ、現在は
転職市場の中の一部の領域を除き
派遣と紹介との垣根が低くなってきましたので
両方の事を理解しておく必要があります。
欧米諸国は、ずっと以前から、そのようになっており
派遣業と紹介業を兼業している会社が多いです。
それに対して日本は
独特な労働行政の下
派遣業と紹介業とは別々に管轄され、別々に育ち
2000年ぐらいからやっと兼業が許可され
現在に至ります。
そんな別々の歴史を経た結果
社内のコミュニケーション特性も異なるのです。
社外の人が身近にいない紹介業では
セクハラやパワハラに対しても比較的ゆるく
カジュアルな雰囲気の会社が多いです。
それに対して
「共に働くスタッフさん」 が身近にいる派遣業では
常に、スタッフさんの存在を意識する必要があり
紹介業よりお行儀が良く、比較的きちんとした
コミュニケーション特性があると思います。
「スタッフさんに見られている」
という意識が、そうさせるのではないでしょうか?
以前、それぞれの特色として言われた事ですが
「やんちゃな狩猟民族は紹介業へ行け」
「コツコツ型の農耕民族は派遣業へ行け」
という話がありました。
しかし、今はそんな事を言っている時代ではなく
両方の長所を持ち合わせている人材会社でなければ
生き残れないと思います。
瞬発力も持続力も
大胆さも繊細さも
厳しさも優しさも
両方必要です。
「セトモノとセトモノと
ぶつかりツこすると
すぐこわれちゃう
どっちか
やわらかければ
だいじょうぶ
やわらかいこころを
持ちましょう」 みつを
合掌。