「応募する会社を3社に絞ってください」
先日、若手バリバリの人材コンサルタントAさんが
ご相談にお越しになりました。
まだお若いのに
落ち着かれていて
知的な魅力を持っている方です。
お会いした瞬間
「この人は必ず決まるな」
と思いました。
そこで、Aさんには
選りすぐりの優良企業を
8社ほどご紹介させていただきました。
1社1社説明しながらご紹介しましたので
面談時間は3時間程度になりました。
私:「Aさん、それでは今日はお持ち帰りいただき
ご自宅で応募される企業をじっくりご検討ください。
応募先が決まったら、また連絡してください。」
Aさん:「素晴らしい会社をご紹介いただき
ありがとうございます。
早速、検討しまして、決まり次第、お知らせ致します。」
という事でご帰宅になり
2~3日後にご連絡をいただきました。
Aさん:「8社の内、6社に応募させてください。」
私:「6社も!!
毎日ハードに働きながら
6社も応募するんですか?」
Aさん:「この際、できるだけ多くの会社を見てみたいと思いまして。」
私:「Aさん、結論から申しますと
3社に絞ってください。」
Aさん:「えー!!
もっと数多く応募しろと言うエージェントが多いですが
3社に絞れとはどういう意味ですか?」
私:「Aさん、何でもかんでも
数多く応募すれば良いというものではありません。
1社1社、丁寧に準備して受けないとダメです。
乱れ打ちは失敗の元ですよ。」
Aさん:「へー、私と全然やり方が違うので
とても驚きますし
勉強になります。
3社に絞れ、ですか?」
私:「Aさんは、通常、どんなやり方ですか?」
Aさん:「10社以上応募いただき
4~5社から内定をいただいて
最後の1社に決めていただきます。」
私:「私も若い頃は、似たようなやり方でしたよ。(笑)」
Aさん:「いやー、これまでの自分のやり方に
いかに無駄が多くて
お客様に無駄な労力をかけさせていた事がわかりました。」
私:「書類選考の労力、面接の労力、辞退された失望感、辞退する申し訳なさ。
また、数多くの進捗管理にかけるAさんの労力。
お客様もAさんも、大変でしょう?」
Aさん:「そうなんです。
エージェントとして
もっと精緻なスクリーニング能力を発揮しないと
無駄ばかり増やしてしまいますね。」
私:「Aさんが、離職中で自由に動けるのであれば
もっと数多くの会社に応募しても良いと思いますが
それでも一度に応募するのは
5社がいい所だと思います。
丁寧にちゃんと選考を受けるのであれば
応募する社数を絞らないといけません。
Aさんも、8社全部が、全く同じ志望度ではないでしょう?
8社の中でも濃淡があるでしょう?」
Aさん:「はい、その通りです。
ところで、武谷さんは、
特にどの会社を薦めていただけますか?
3社に絞るとすれば
どの会社を薦めていただけますか?」
私:「それは、X社、Y社、Z社の3社です。
その理由は、・・・・・・・・・。」
Aさん:「ありがとうございます。
承知致しました。
そのX社、Y社、Z社の3社に応募させてください。」
私:「承知致しました。
早速、ご紹介の手続きを行います。」
「合格する可能性がある」
だから
「合格する可能性のある会社は全部応募してもらう」
そんなやり方は
エージェント側のリスクヘッジでしかありません。
そんな、乱れ打ち的なやり方であれば
直接応募していただいた方が
クライアントにとっても
キャンディデートにとっても
よろしいのではないでしょうか?
人材紹介コンサルタントが
双方の顧客を見極める。
丁寧に絞って
的のど真ん中を射抜く。
まだまだ道半ばですが
そんなエージェントを目指したいと思います。
「いまから
ここから」 みつを
合掌。