「それでも最大手か？」

もう昨年の話になります。

ある若いご相談者のＡさんが

お越しになりました。

全く異業界から

人材紹介会社に転職したいとのご希望でした。

志望理由は

「世の中を変えたい。

　就職や転職弱者のためになりたい！！」

という純粋なものでした。

新卒を１～２名しか採用しない

超難関大手企業に就職され

入社後もトップ昇格を続けていた人です。

心身共に俊敏性に優れ

非常にシャープな人でした。

そんな人なので

面接で少々難しい質問をされても

ビシビシと的を射た答を返せるわけです。

ただ、クライアント企業にも

それぞれの事情があって

「優秀だったら、どんなタイプでも採用すればいい」

というものではありません。

あまりにシャープ過ぎて

採用を躊躇する会社もあったのです。

私は

「あー、もったいないなー。

　こんな人材には、なかなか会えないのに。」

と、非常に残念でした。

そこで、Ａさんから問い合わせがありました。

Ａさん：「武谷（たけや）さん、お願いがあります。」

私：「何ですか？」

Ａさん：「最初にご紹介していただきましたが

　　　　　やはり、大手人材紹介会社も受けてみたいと思います。

　　　　　色々と批判もされていますが

　　　　　一度、自分の目で確かめたいと思います。」

私：「いいですよ。

　　　自分が登録してみて

　　　サービスの品質を確かめたいという事ですね？」

Ａさん：「はい。

　　　　　その通りです。」

私：「わかりました。

　　　どうぞ、行ってきてください。

　　　既に、私からもお薦めしている企業なのでいいですよ。

　　　ただし、約束してください。

　　　その企業は、私のクライアント（古巣）ですから

　　　本当に応募してみたいと思ったら

　　　私を通して応募してくださいね。」

Ａさん：「はい、もちろんです。」

しかし、その後の展開があまりにひどくて

古巣の弱いＣＡ批判になりますので

ここには書けない内容です。

要するに

「武谷さん経由ではなく

　直接応募じゃないと　　

　貴方の不利になるよ。

　面接官は私の上司だから

　具体的な面接対策もできるよ。

　私からの紹介の方が

　内定する確率が高いよ。」

と脅かされました。

半ば強引に採用説明会出席の日程も予約され

その後は、スルスルと内定に至りました。

「やはり、できれば内定したいという気持ちもありましたし、

　もしこの会社に入社する事になったら、

　このＣＡの人と一緒に仕事をする可能性もあるので、

　とても断りにくかったです。」

という応募者の心理はよく理解できますよね。

それだけに悪質だと考えるわけです。

もちろん、私が何もクレームを付けていないので

クライアント（古巣）からの謝罪も

ＦＥＥの支払いもありません。

Ａさんは

「ＣＡに脅されて

　武谷さんを裏切ってしまい

　私がぶれていました。

　今となっては後悔しています」

と言っていました。

おい、浅野、こんなんでええの？

パーソルキャリア様（旧：インテリジェンス様）の方が

余程紳士的やで。

先日、同じ会社のＯＧでもある家内に話したら

「小さいなー。

　寂しいなー。

　いつから、そんな小さな会社になったんだろう？」

と言っていました。

「仁義なきエージェント」　やね。

「Ａさんがハッピーであればいい」　

と自分に言い聞かせ

ほとぼりが冷めるまではと我慢してきました。

ここ最近では、最もパワーをかけた人材です。

面談と電話での会話は、軽く１０時間以上。

交わしたメールは、数十ページに渡ります。

入社後も要所要所でやり取りしていますから

今の状況もわかっています。

もう戦力化して

決定も出始めたのでいいでしょう。

私もボランティアじゃないから

今回は心底怒っています。

「なるべくなら

　うそのないほうがいい」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みつを

合掌。