「象徴的なエピソードが人を動かす」
以前、内定されたキャンディデートのAさんから
Aさん:「私が内定したX社の特色は何ですか?」
と質問されました。
私:「特色ですか?
うーん、ホームページに書かれてある事を話しても仕方ないですね。
わかりました。
一言で申し上げると
会社の歴史は経営者の歴史です。
会社は経営者の人生であり
経営者の生き方や考え方が
底流に反映されています。」
Aさん:「なるほど。そうかもしれませんね。
それでは、経営者の方はどのような人ですか?」
私:「非常に強い意志を持っていて
目標を達成できるまで
あきらめずにやり続ける人です。」
Aさん:「何か象徴的なエピソードはありますか?」
私:「英語もできず、貧乏だったのに、海外に飛び出しました。
苦学して超難関大学に合格しました。
将来独立するために、様々なビジネスを経験しました。
そして独立を果たし
その後も苦難の連続でしたが
それを乗り越え成功されました。
そして、今でも更なるチャレンジと社会貢献活動を続けています。」
Aさん:「凄い人ですね。」
私:「はい、とても真似できません。
自分にも部下にも厳しい人です。
一方、大変優しく、他人への細かな配慮も忘れない。
そのような部分も持ち合わせています。」
Aさん:「何か代表的なエピソードはありますか?」
私:「はい、印象的な事が二つありました。
一つは、ゴルフをご一緒した時の事です。
下手くそな私が、ブッシュに打ち込んだ時
その中にドンドン入って行って
私のボールを探していただきました。
『こんな偉い人が!!』 と驚きました。」
Aさん:「へー、なかなかできる事ではありませんね。
もう一つのエピソードは?」
私:「カラオケをご一緒した時の事です。
社歴の浅い幹部社員の方が何も知らずに
経営者の方の十八番を自分がリクエストしてしまいました。
私は、すかさず止めようとしました。
そしたら、経営者の方が私の耳元で
『いいから、いいから、そんな事は気にしないで』 と
微笑みながら、おっしゃいました。
その時以降、経営者の方は十八番の歌を一度も
歌われる事がありませんでした。」
Aさん:「へー、大変優しい配慮のある方ですね。
それは素晴らしいと思います。」
私:「そうですね。
何となく会社の特色と申しますか
その底流に流れる経営者の生き方・考え方を
ご理解いただきましたか?」
Aさん:「はい、今お聞きした象徴的なエピソードによって
かなり想像する事ができました。
素晴らしい会社をご紹介いただきまして
本当にありがとうございました。」
企業側の歴史沿革や経営者の方のエピソードも
キャンディデートの方に語りますが
逆に、キャンディデートの方にも
「ご自分の事を面接官に理解していただけるような
象徴的なエピソードを簡潔にまとめて話せるように
準備しておいてください」
とお願いしております。
人は単なる文字・文言では動かず
象徴的なエピソードやストーリーに対する共感によって動きますよね。
まさに
「象徴的なエピソードが人を動かす」
という事ですね。
是非、ご自分のエピソードを整理してみてください。
「そのときの出逢いが
人生を根底から
変えることがある
よき出逢いを」 みつを
合掌。