「なぜ、応募者を辞退させたんですか?」
先週、九州の実家に帰省中
あるクライアントの社長さんから
一次面接通過後に辞退していただいたAさんの件で
お電話をいただきました。
社長:「武谷(たけや)さん
一次面接を通過したAさんの件です。
なぜ、Aさんが辞退するように促したんですか?
そこまで絞り込んでご紹介いただかなくても
私が最終的な合否判断をしますから
もっと気楽に紹介してくださいよ。」
私:「社長、そうは言っても
御社の採用基準が大変厳しい事はわかってますよ。
凄い精鋭軍団じゃないですか?
必ず不合格になると思う人を紹介したら
私が社長に紹介する意味がありません。
また、応募したAさんにとっても意味がありません。」
社長:「どういう意味ですか?」
私:「Aさんは、社長や御社の人材紹介コンサルタントの方々と
本気で一緒に働ける自信がないとおっしゃっています。
皆さんの同士にはなれないんですよ。」
社長:「なぜ、そんな事がわかったんですか?」
私:「社長が掲げている事業方針メッセージを
何度も読んで、暗記できるまで読んで
それが本当にAさんの中で腹落ちしなければ
社長や御社のコンサルタントと一緒に
本気で仕事できるわけがないじゃないですか?」
社長:「うん? もっと具体的に教えてください。」
私:「企業と人材、双方のデジタル情報だけでなく
社風や性格などアナログな情報も深く収集して
『採用して良かった』 『転職して良かった』 『紹介して良かった』 という
『三方よし』 の深い人材紹介にこだわる方針ですよね?」
社長:「まさに、その通りです。」
私:「Aさんは、その事業方針に心の底からのこだわりが持てないようでした。
とにかく内定が欲しくて
やや上滑りのテクニック的な面接対策を求めてきました。」
社長:「そうなんですか?
私は細かい面接対策など大嫌いです。
むしろ、粗削りの方が伸びるから
本筋でズバッと応募してほしいです。」
私:「そうですよね。
だから、一次面接後の懸念点として
御社の面接官が
『質問に対しては正解を答えるが、言葉に情熱が感じられなかった』
という評価につながっているんです。」
社長:「なるほど、そういう事ですか!!」
私:「そうです。
『このまま社長面接に上げても、落ちますよね?』
とお伺いしたら
『落ちると思います』
と、お答えになりました。」
社長:「なるほど、わかってきました。」
私:「少数精鋭の人材紹介会社が大手に勝つためには
社長の事業方針を貫くしかないですよね?
御社は、社長の方針に共感して集まっている
プロのコンサルタント集団ですよね?」
社長:「その通りです。」
私:「その方針に心から共感できない人は
御社のコンサルタントとしては不適格です。
従って、辞退するように促しました。
ご本人も、はっきり自信がないとおっしゃっています。」
社長:「武谷さん、大変失礼致しました。
そこまで当社の事をご理解いただき
そこまでこだわってご紹介していただいたとは
思いませんでした。
申し訳ございません。」
私:「とんでもございません。
私は中小どころか、たった一人の人材紹介会社です。
こだわりを捨てたら、生きていけません。」
社長:「ありがとうございます。
今後、武谷さんにご紹介いただいた人には
必ず真っ先にお会いします。
何卒宜しくお願い致します。」
私:「ありがとうございます。
こちらこそ、何卒宜しくお願い致します。
私自身が、社長の事業方針の熱狂的な支持者ですから。」
「おかげさん」 みつを
合掌。