「若者が小細工すると損するよ」
「若者」 とか 「若さ」 の良さって何でしょうか?
なぜ、企業はビジネス経験が浅い若者を
あえて採用するのでしょうか?
・若者が入社すると組織が活性化するから。
・特定の会社の色に染まってないから。
・吸収力があるから。
・思い切った言動で、既存社員に良い刺激を与えるから。
・組織の年齢構成を適正に維持したいから。
・元気で素直で一生懸命でかわいいから。
若者を採用する理由は色々あると思いますが
私は最後に挙げた
「元気で素直で一生懸命でかわいいから」
という事が一番大切だと考えています。
逆に
「おとなしくて素直じゃなくて一生懸命じゃない」 って
普通は採用しにくいタイプです。
就職活動が 「就活」 と略されるほど注目されるようになってから
就職活動における 「テクニック」 に
やや、スポットライトが当たり過ぎるようになった気がします。
最低限の礼儀・マナーや心得のような事は必要だと思いますが
「エントリーシートの書き方」 や 「面接でのテクニック」 のようなものは
できるだけ、本人の地が出るように
過度に指導しない方が良いのではないか?
と考えてしまう事があります。
その方が、本人が持っている
等身大の自分を表現できて
ミスマッチが減ると思いますし
「テクニックは見抜かれるし
仮に合格しても幸せになれないのではないか?」
という気持ちが、正直あります。
「どうせ見抜かれるぐらいだったら
本当の地の自分で勝負しようよ。
それで落ちたらご縁が無いという事だし
採用されたらご縁だと思い感謝して
全力で頑張ればいいよ。」 と。
以前、まだ若いAさんの面接事例がありまして
そのような事をあらためて痛感しました。
X社さんをご紹介したのですが
面接での評価はなかなか高いのに
なぜだかスムーズに内定が出ないのです。
そこで、私もジリジリしまして
X社さんの人事の方をプッシュさせていただきました。
人事:「うーん、まだ結論を出せません。
Aさんは頭も性格も良くて
可能性は十分感じているのですが
何か若者らしくないと言うか
小手先の返答があるような気がしていて
内定を出す所まで至っていません。」
私:「え?
『小手先の返答』 って何ですか?」
人事:「例えば、退職理由ですが
素直に納得できないような突飛な話が出てきて
『それが本当の退職理由なわけがないだろう』
と上司が言っています。」
私:「え!!
そんな退職理由ですか?」
人事:「武谷(たけや)さんは、どのように聞いているんですか?」
私:「私はお送りした推薦状に書いてある通りで
そんな退職理由は、Aさんから聞いた事もありません。」
人事:「そうなんですね。
どうして違う事を話すんでしょうかね?」
私:「わかりました。
私も再度、Aさんに確認します。」
このような展開で、Aさんに再度、本当の退職理由を伺いました。
私:「Aさん、私が聞いた事がない退職理由を話されているようですが
それは事実ですか?」
Aさん:「あー、その事ですね。
それは面接で実際に言ってしまいました。」
私:「Aさん、それが本当の退職理由ですか?
それとも、最初に私に話してくれた事が本当の理由ですか?」
Aさん:「武谷(たけや)さんに話した事が本当の理由です。」
私:「どうして真実と違う事を言うんですか?」
Aさん:「何とか合格したいと思って
以前、考えていた理由をついつい口にしてしまいました。」
私:「そうですか。
気持ちはわかるけど
そんな小手先の話は通用しませんよ。」
Aさん:「本当にそうですね。
自分でもどうしてあんな事を話してしまったのか?」
私:「若者は若者らしく、正々堂々と明るく元気に行かないと
企業側としては、採用する意味がありません。
それだったら、もっと社会人経験が豊富で
こなれた人物を採用した方がいいんですよ。」
Aさん:「そうですね。
焦って空回りしていました。」
私:「でもAさん、X社さんは、もう一度チャンスをくれるそうですよ。
有り難いですね。
再度、面接をしていただけますので
今度こそ小手先のテクニックは使わないで
正々堂々真正面から面接に臨んでください。」
Aさん:「いやー、ありがとうございます!!
次回は真正面から地の自分を出して頑張ります。」
「自分が自分にならないで
だれが自分になる」 みつを
合掌。