「感動!!エリート社員を引き留めないオオモノ上司」
昨年、大企業のエリート社員Aさんが、ご相談にお越しになりました。
私:「Aさん、昔、私は御社を担当させていただいていた事がありまして
大変お世話になりました。
とても懐かしいです。」
Aさん:「えー!!
うちの会社を担当されていたんですか?
それは奇遇ですね。」
私:「素晴らしい会社ですよね。」
Aさん:「はい、経営者をはじめ社員は本当に良い人ばかりです。
それで入社したようなものです。」
私:「しかし、Aさんのご経歴を拝見すると
会社から相当期待されているでしょう。
完全にエリートコースですよね?」
Aさん:「いえ、私がエリート社員だなんて、とんでもございません。
いつも自分はダメ社員だと思い知らされる日々です。」
私:「またそういう謙虚なお人柄も好感度が高いですね。
昔から、そのようなお人柄なんですか?」
Aさん:「いやー、自分ではわかりませんが
あまり進歩してないと思います。」
私:「しかし、エリート社員のAさんが、なぜ転職を考えてるんですか?」
Aさん:「はい。
今日はその辺の事を、武谷(たけや)さんにお聞きいただき
厳しいアドバイスを頂戴したいと考えて参りました。
こんな若輩者ですが、何卒宜しくお願い致します。」
私は、最初の5分ぐらいの雰囲気で
「Aさんなら、どこでも決まるだろう。
ただ、本当に今の会社を辞められるのか?
退職の申し出をしたら、凄い引き留めにあうだろう。」
と、求人をご紹介する前から
Aさんの退職交渉の事が心配になりました。
その後、予感は的中し、複数社から順調に内定が出ました。
そして、Aさんは熟慮の結果、●●社様の内定を受諾されました。
さて、ここからが問題の退職交渉です。
私:「Aさん、退職交渉は大変でしょうが、頑張ってください。」
Aさん:「はい、大丈夫です。お任せください。」
私:「やけに落ち着いて自信がありますね?」
Aさん:「はい、大丈夫です。
うちの会社の上層部は
ちゃんと話せば、ちゃんと受け止めていただける方々です。」
私:「わかりました。
それでは、私も落ち着いて退職交渉の進捗を待ちます。」
それから二日後、Aさんから、下記のようなご連絡をいただきまして
驚いたのと同時に感動しました。
武谷様
いつも大変お世話になっております。
部長と取締役に退職表明をしました。以下、コメントです。
・部長
「辞意表明に関して、申し訳ないと言う必要はありません。
転職を選択するのもあなたの人生です。
引き継ぎがポイントです。
現在の業務リストを箇条書で教えて下さい。
引き継ぐ相手を考えます。
送別会を設けるので必ず参加して下さい!!
取締役には私から伝えます。」
・取締役
「ベンチャーは1人1人の負担は大きいかもしれないが、
チームワークがより大切です。
周りの方の力をどこまで引き出せるかが鍵です。
立場上頑張ってくださいとは言えませんが、
個人的な連絡は取り続けたいです。
A君の結婚式に出席したかったです。
最終出社日と退職日は部長と相談して下さい。」
取締役に退職表明をした事を受けて
・部長
「最終出社日について、目安は●月●日とします。
退職日を次の就業先と相談して決めて下さい。」
本日はここまでの進捗とし、
一旦●●社様に状況をお伝え頂きたいのですが、よろしいでしょうか。
引き続きよろしくお願いいたします。 以上。
今時、こんな方々と申しますか
こんな素晴らしいオオモノ上司がいらっしゃる会社ってあるんですね。
「辞意表明に関して、申し訳ないと言う必要はありません。
転職を選択するのもあなたの人生です。
送別会を設けるので必ず参加して下さい!!」
「立場上頑張ってくださいとは言えませんが、
個人的な連絡は取り続けたいです。
A君の結婚式に出席したかったです。」
なんか感動してしまって、Aさんのメールを拝見しながら
涙が出てきました。
Aさんは一生涯、取締役や部長さんをはじめ
前職の社員の方々との温かい交流を大切にされるでしょう。
できれば私も、Aさんと一生涯、お付き合いしたいです。
「生きていて
よかった
生かされてきて
よかった
あなたに
めぐり
逢えたから」 みつを
合掌。