「長所と短所は?という質問にどう答えるか?」
先日、人材紹介コンサルタント志望のキャンディデートAさんと
面接に関する打合せをしました。
私は 「面接対策」 と言うほど
ご本人の実像とかけ離れた演技指導は嫌いです。
できるだけ 「素のご自分」 を出して内定していただく方が
入社後、無理なくご活躍いただけるからです。
私:「面接に関して、何か聞いておきたい事はありますか?」
Aさん:「はい、一つあります。
『貴方の長所と短所は?』
と質問された場合は
どんな回答がいいんですかね?」
私:「うーん、特に正解はないです。
身近な人から、よく言われるような
周囲の人から見たAさんの長所と短所は何ですか?」
Aさん:「はい。
これは短所でしょうが
『せっかち』 だと言われる事が多いですね。」
私:「それは素晴らしい短所ですね!!」
Aさん:「え!! なぜですか?」
私:「だって、短所の裏返しが長所ですよね?
従って、 『せっかち』 とか 『気が短い』 という短所を持っている人は
逆に、 『決断が早い』 とか 『スピード感がある』 という長所を持っていますよね?」
Aさん:「あー、そうとも言えるかもしれませんが。」
私:「『決断が早い』 とか 『スピード感がある』 という人は
人材紹介コンサルタントに向いている人が多いと思いますよ。」
Aさん:「そうなんですか?」
私:「はい、もちろんです。
半日・一日の決断やアクションの遅れが致命傷になるような仕事です。
ドンドン仕事を前に進めないと業績は上がりませんよ。」
Aさん:「やっぱりそうですか?」
私:「すべてのケースにあてはまるわけではないです。
時には、意識的にクライアントやキャンディデートに対して
じっくり考える時間を持っていただく事が必要なケースもあります。」
Aさん:「やっぱり、ケースバイケースなんですね?」
私:「ただ、そのようなケースは少数派でして
圧倒的に多いのは
スピード感を持って、どんどん前に進める仕事ですよ。
基本は即断即決で、仕事を前に進める事が大切です。」
Aさん:「即断即決?」
私:「そうです。
そんな一日放置しておいたら
クライアントやキャンディデートの事情が変わる事も多いですし
競合他社に逆転されてしまう事も多いですからね。」
Aさん:「なるほど、そういう事ってあるでしょうね?」
私:「そうです。
従って、 Aさんのように
『せっかち』 で 『気が短い』 という性格は
人材紹介業においては短所ではなく
むしろ、長所ですよ。」
Aさん:「『せっかち』 で 『気が短い』 という性格が長所ですか?」
私:「そうです。
だから、面接でも堂々と正直に話してください。
この業界の人は、同じような性格の人が多いですから。
逆に、慎重すぎて優柔不断な人には向かない仕事です。」
Aさん:「わかりました。
貴重なアドバイスをいただき、ありがとうございます。
自分の長所も短所も堂々と話して来ます。」
『せっかち』 で 『気が短い』 という性格を前面に出して
あまりに余裕なく、せかせかと仕事をするのは良くないと思いますし
お客様から見ても、あまり良い気分がしないでしょう。
従って、お客様と接する時は
できるだけ平常心で落ち着いた態度を取った方が良いですね。
寸分のゆとりもないサービスというのは
いかがなものかと思いますよね。
ただ、人材紹介コンサルタントの仕事は営業職の一種ですので
心の中では 『スピーディーに少しでも早く』 という気持ちを
持っておく必要があると思います。
ウソの 「長所と短所」 を述べる必要はありません。
「ほんとうのことが
いちばんいい」 みつを
合掌。