「厳しい環境で鍛えられた人は?」
先日、30代前半の人材紹介コンサルタントAさんとお話しました。
Aさんは以前、異業界の営業職でしたが
5年前に人材紹介会社に転職しました。
今はその会社から1年前に転職して
別の人材紹介会社のコンサルタントとして働かれています。
5年前に転職した最初の人材紹介会社はヘッドハンティングをやっていて
初めは、リサーチャーとして働かれていたそうです。
私:「今の会社はどうですか?
もう1年になりますよね。」
Aさん:「はい、おかげ様で楽しく仕事をしています。
以前の会社に比べたらストレスも少なく
こんなに楽をさせてもらっていいのかな?
という感じです。」
私:「前の会社は、そんなにきつかったですか?」
Aさん:「そうですね。
リサーチャーだったので
毎日コールドコールばかりで
偽名を使ったり、社名も偽って電話したり
かなりストレスフルでした。
今もSNSを使ってキャンディデートを集めたりしていますが
自社に直接エントリーしてくださる方もいらっしゃいますし
ポータルサイトもたくさん使わせてもらってますから
心身共に本当に楽になりました。」
私:「なるほど、そうでしょうね。
でも最近は、ポータルサイトのスカウトも楽じゃないでしょう?
それから、顕在的転職市場にいる人材だけではなく
潜在層にもアプローチできる部分が
ヘッドハンティングの醍醐味じゃないですか?」
Aさん:「はい、おっしゃる通りです。
ただ、成果を出すのはそう簡単ではないんです。
コールドコールも繋がらない電話がほとんどですし
転職を考えていない人材ですから
話をまとめるのにも大変時間がかかります。
その点、今の会社はスピード感が全く違います。
ただ、前職を経験した事は、大変良かったと思っています。
リソースがある事が当り前の環境ではなかったですから。
最初から大手人材紹介会社で働いてきた方は
リソースが豊富にある状態が当り前だと思ってしまいますよね?」
私:「それは本当にそうだと思います。
自分の力で人材を見つけてくる事が
この仕事において、一番難しい事の一つなんじゃないでしょうか?
今のように好景気で、求人数が多い時は特にそうですよね。」
Aさん:「私は最初は人材紹介業の事は何も知りませんでした。
ですから、前職が当り前だと思って必死でやってきました。
それに比べたら、今の会社のコンサルタントは幸せな環境だなーと感じます。
だから今は、どんな事も大してつらいとは感じません。
若い内に厳しい環境でやる事も
つくづく大切な経験だと感じています。」
新卒でこの業界に入った方も
異業界から転職してきた方も
最初に入った人材紹介会社での経験が
その人のその後の人生に大きく影響すると思います。
Aさんは、元々素晴らしい素養を持った方だと思いますが
最初に入った会社の厳しい環境で頑張れた事が
Aさんの成長を大きく促したのだと思います。
ブラック企業で理不尽な厳しさに耐えて働いていた方が
転職後にご活躍されるという事例は頻繁に耳にします。
「ブラック企業に入れ」
という意味ではありません。
どんな厳しい環境でも
そこで頑張った事は決して無駄にならない。
むしろ、その人を成長させてくれる一面もあるという事です。
そういう意味でも、企業選択とは奥が深いものだと考えさせられます。
Aさんのように頑張ってきた人が
ステージアップを果たせるような
良い転職のお手伝いができれば幸いです。
「ともかく具体的に
動いてみるんだね
具体的に動けば
具体的な答が出るから」 みつを
合掌。